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Rewrite the story

世界が崩れていく。
人々が想像し、築き、争い、破壊し、作り、共有し、愛した世界が。
空は響めき、
風は嘆き、
地は抉れ、
悲しみに、恐怖に溢れる匂いがする。
そんな、終焉を迎えようとする世界に立っていた。

ただ一本の剣を手に。


いくつもの物語を紡いだ。
いくつもの戦いを乗り越えてきた。
時には仲間と道を違え、剣を交え、さらに強い絆を結んだ。
敵として剣を交えた者も、未来に絶望してしまった友も、みんな大切な、共に戦う剣士だ。
これが俺の、俺たちの、無垢で穢れなき物語が繋いだ世界だ。

そんな世界を、破壊しようとしている男がいる。
自分のためだけに、この美しく、儚い世界を破壊しようとしている。
破壊の上にしか作れない理想郷なんて紛い物だ。

思いなんて、絶対的な力の前では何の意味もない?
いいや違う。

俺たちの思いが、未来を創るんだ。

その瞬間、10の聖なる剣が輝き、歌い、雲を破った。
火が、水が、雷が、土が、風が、音が、闇が、光が、煙が、時が
一つの星座を描く。

想いの熱が、奇跡を起こした。

無数の光が、新しい夜明けを切り開くように暗闇を照らした。


こんな物語を聞いたことがある。

「人が鍛えし始まりの聖剣に、火を灯さんとするもの現れし時
 星を結びて力を束ね、物語を終焉へと導く聖剣が生まれる」

一冊の本が光り輝き、新たなページが描かれた。

青く煌めく聖剣を握り、巨悪に向かう一人の英雄。




物語の結末は、俺が変える。







創造するのは俺だ。

剣を振れば闇が融け、光が刺す。
剣を振れば土が笑い、雷が踊る。
剣を振れば風が吹き、音が響く。
剣を振れば時が動き、霧が巡る。
剣を振れば水が舞う。
剣を振れば、火が歌う。

剣をかざせば数え切れぬ可能性が生まれ、奇跡を進化させる。

切り裂く軌道が、物語を、未来を綴る。

奪われた世界が戻り、歓喜に溢れる匂いがする。
世界が再生し、創造され、希望に満ちる。

俺たちの物語が

未来の物語が

今甦る


Rewrite the story
 内藤秀一郎・山口貴也・青木暸




p.s.
物語を紡ぐのむっっっっっっっっっず。

#おいもの作文

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