国に(ほぼ)甘えないとしたら、どれくらいの収入が必要か?

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※本記事はあくまで「いちケース」くらいにお考えください。
※計算の便宜のため、適宜費用を丸めています。

国に(ほぼ)甘えないとしたら、どれくらいの収入が必要か?

昨今「老後2,000万問題」が話題になり、ずいぶん多くの人が震撼し、不安に陥れられたものと記憶している。
だが、さらに悲しいことに、あれは「老後に必要な資金」の話だ。誰しもいきなり老後になるわけではなく、それまでにも多種多様な出費がかさむはずだ。
……では、いったいいくら稼げれば、老後も含めて人生を安泰に暮らせるのだろうか? おおざっぱ極まる方法で試算してみたので、noteにしておく。

前提条件

次のようなペルソナを設定して算出していく。

・東京都新宿区在住
・30歳
・2DKの賃貸住宅に住んでいる
・家族構成は妻(専業主婦)と娘ひとり(生まれたばかり)
・親は約30歳年上であり、父母とも健在(埼玉県に戸建てを保有)
・すべての人物は90歳で亡くなるとする

各種データ

東京都新宿区の家賃相場(2DK)は11万8,000円(まるめて12万円とする)
子どもの教育費用は、幼稚園~大学まですべて国公立なら985万円(まるめて1,000万円とする)、すべて私立なら2,400万円
介護費用は介護保険があると仮定すると月7.8万円(pdf97ページ目参照、まるめて8万円とする)
月々の出費は約31万円(住居除く)
・老後は夫婦合わせて4,000万円を貯金していなくてはならない(医療費を除くと3,000万円くらいの計算)
月々の医療費は月々1万6,000円
夫婦での生涯医療費は5,500万円とする

計算してみよう!

上記のようなガバガバ目安にもとづいて、生涯に必要な総支出を求めてみたい。なお、さまざまな数字を計算途中で切り上げ処理しているため、今から算出される費用は「多めに見積もった額」になることをご承知いただきたい。

家賃:月12万円×12ヶ月×60年間=8,640万円
教育費:2,400万円(資金が理由で進路を狭めるのは悲しいので、すべて私立とした)
介護費用:8万円×12ヶ月×30年間×4人(自分および妻の両親)=1億1,520万円
月々の出費(家賃除く):31万円×12ヶ月×60年間=2億2,320万円
老後資金:3,000万円
夫婦の生涯医療費:5,500万円

合計:5億3,380万円

これから30年間働けるとして、年収約1,800万円(月収150万円)が必要ということになる。

5億円オーバー? 年収1,800万円? 嘘でしょ?

結論からいえば嘘である。

この額は誇張に誇張を重ねたものだ。支出はかなり悲観的な額に設定しているし、「老後資金」の中に医療費が含まれているなどのダブルカウントも存在している。生涯年収の中央値が2.5億円、平均値が2億円といわれていることを考えると、5億という金額の誇張ぶりはさらによくわかるだろう。

だが、試算の結果、このバカでかい金額が出てきたことは事実だ。月収150万円は必要ないとしても、お金に無頓着なまま、月収35万円でのほほんと生きているのは非常に危険だろう。

年金制度の破綻、理不尽な税率、公的保証制度の崩壊。
そういった大惨事にどれだけ晒されようとも生きていけるだけの資金を、自分の手で、稼げるうちに稼がなければいけない。

少なくとも筆者はそう思ったのである。

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