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独占インタビュー:及川輝新先生『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』(MF文庫J)

今回インタビューをさせていただくのは、2024年2月24日(土)にMF文庫Jより『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま2』が発売となる及川輝新先生です。及川先生は第19回MF文庫Jライトノベル新人賞にて「優秀賞」を受賞。2023年11月25日に商業デビューされました。
本作は、マンションで隣の部屋に住む人気アイドルを“メシ堕ち”させたい主人公と、そんな主人公をアイドルムーブで誘惑し、自身のファンにオトしたいヒロインとが織りなす「メシ堕ちラブコメ」。作中に登場するグルメやストーリーなどに関するこだわりをお聞きしました。

――まずは自己紹介からお願いします。

はじめまして、及川輝新と申します。インタビューは今回が初めてなので、めちゃくちゃ緊張しています(笑)。
小説の執筆歴は13~4年くらいです。普段は作家のほかにライターとして活動しており、コラムの執筆や校正なども行っています。
元々ライターを志していたため、学生時代は学内新聞を発行する団体に所属していました。小説を読むようになったのもその頃です。当時勤めていたバイト先の隣が本屋だったので、シフト前に巡回して気になった本を購入する…というのがルーティーンでしたね。ライトノベルに限らず純文学やエッセイなど、興味のあるものは手あたり次第読んでいました。

――学生時代から書く・読むの両方を習慣にしていたんですね。ちなみにライトノベルの中だと、お気に入りの作品は何ですか?

『涼宮ハルヒ』『文学少女』『ココロコネクト』『とらドラ!』など、2000年~2010年代の青春ものが好物です。櫛枝実乃梨は俺の嫁。あとライトノベル判定かは微妙ですが、滝本竜彦さんの『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』が好きで、何度も読み返しました。

――元々はライター志望とのことですが、及川先生が小説を書き始めたきっかけは何だったのでしょうか?

大学時代から習慣的に小説を読むようになって、数を重ねていくうちに「自分でも書いてみたい」と思い、見よう見まねで書いてみたのが始まりです。私は若者の葛藤や成長を描きたかったので、10代の少年・少女が登場するライトノベルという形式を選んだのは自然な流れでした。
あと、あわよくば学生時代にデビューして、就職を回避したいという下心もありました(笑)。当然そんなうまくいくはずもなく、普通に就職したわけですが。新卒の就活ではライターにもなれず、事務職に就きました。4年ほどその会社で働き、ライターにジョブチェンジして現在にいたります。その間も小説は書き続けていました。

――仕事で文章を書きつつ、小説の執筆も続けていたんですね。応募先にMF文庫Jを選んだ理由は何ですか?

理由は大きく2つあります。ひとつは本作がMF文庫Jのメインターゲットである、10代に向けて書くことを強く意識した作品だからです。
もうひとつはモチベーション的な理由ですね。私が応募したのは第1期(6月30日締切)で、秋頃に選考結果が出るスケジュールとなっていました。当時はほかにも色々な新人賞に応募していたのですが、私が応募する賞は締切が冬もしくは春に集中しており、毎年秋頃になると選考待ちのストックが切れてしまい、気分が落ち込みがちでした。そこで第1期に応募することで秋の結果発表を楽しみにしつつ、下半期の執筆モチベーションを高めるという狙いがありました。
正直、受賞できるとはまったく思っていなくて、「チャレンジ賞※」をもらえたらラッキー…くらいの気持ちでした。

※チャレンジ賞…各期の予備審査で三次選考通過者の中から、惜しくも佳作には選出されなかったものの、「光る才能がある」と認められた作品について認定し、決定後3ヶ月間に限り毎月2万円を活動支援費として進呈いたします。

(MF文庫J公式サイトより)

――ふたを開けてみたら望外の結果となったわけですね。受賞時の率直な気持ちをお聞かせください。

第1期で佳作選出のご連絡いただいた時、最初は受賞の報せとは露ほども思わず、「応募原稿に不備でもあったかな?」と心配が先に来たくらいです(笑)。しかも当時は「佳作=ファイナルラウンド進出」くらいに捉えていて、まだ本を出せるとは思ってなかったんです。
後で公式HPを確認したところ「チャレンジ賞以外の入賞作品は、MF文庫Jから出版されます。」という文言を見つけて、「じゃあ出版できるじゃん!」と遅れて実感がわいてきました。その日は仕事がまったく手につきませんでしたね。
最終結果発表では「優秀賞」という期待以上の結果となり、喜びしかありませんでした。

――それでは「優秀賞」を獲得した受賞作、『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』がどんな物語なのかを教えてください。

本作は、料理が得意でおせっかいな高校生・鈴文と、彼の隣人である人気アイドル・優月との間で繰り広げられる「メシ堕ちバトル」が主軸となるラブコメです。
鈴文はお手製の“背徳メシ”で、優月の過度な食事制限を止めさせたい。それに対し優月は、握手や目覚ましボイスなどの“アイドルムーブ”で鈴文をファンにオトすことにより、自分の言うことをきかせたい(食事を振る舞うのを止めさせたい)。両者プライドをかけて戦いを繰り広げる中で、相手の価値観や人間性を知り少しずつ距離を縮めていく…というストーリーになっています。

――導入で主人公とヒロインが対立するラブコメは多いですが、グルメ×アイドルは珍しいですよね。物語の着想はどこから得たのでしょうか?

私は主人公とヒロイン、1対1の関係をじっくり描いていくのが好きなので、それを際立たせるために対決構造を取り入れました。グルメとアイドルを題材にしたのは、どちらも私が好きだったからです。
父が調理師だったので私は幼い頃から料理への関心が強く、自分でもよく台所に立っていました。アイドルに関しては学生時代、ハロプロの大ファンで、中でも『モーニング娘。』のコンサートには数えきれないほど参戦しました。

――ご自身の経験が作品づくりに活かされているのですね。作中には豚丼やラーメン、お好み焼きなど数々の背徳メシが登場します。グルメシーンを描く際はどのようなことを意識されていたのでしょうか。

小説におけるグルメシーンは、漫画や映像に比べるとどうしてもインパクトが弱くなってしまいます。読んでいる方に料理の魅力が伝わるように心掛けると同時に、“ただのグルメ紹介”にならないよう、食事をしているキャラの表情や仕草、食リポにも力を入れました。

――確かに優月の食事シーンはインパクト抜群ですね。

鈴文と出会う前までの優月は極端なほどの食事制限をしており、日々のメニューは豆腐バーやサラダチキンなど低カロリーなものばかりです。だからこそ背徳メシに屈した瞬間のギャップがすさまじいというか、自然とああいうリアクションになりました。

――挿絵や口絵で、料理にときめく優月を見ていると、思わずニヤけてしまいます。書籍化に際しては緋月ひぐれ先生がイラストを担当されましたが、お気に入りのイラストやキャラクターデザインを見た際の感想などがあれば教えてください。

キャラデザを初めて拝見した時は、あまりの素晴らしさに10分くらい「ほぉほぉほぉほぉ」と唸ってしまいました(笑)。イラストはどれも素晴らしいですが、1巻だと特にラストの1枚がお気に入りですね。見た瞬間に思わず「エッッッ(モ)」と口からこぼれていました。
2巻のイラストもめちゃくちゃすごいので、読者の皆様にはぜひ期待してほしいです。もうタイトルを『緋月ひぐれイラスト集~おまけで10万ちょいの文章付き~』に変えてもいいくらいです。

――改めて、本作の見どころや注目してほしい点を教えてください。

本作は「メシ堕ちラブコメ」と銘打っているように、グルメとラブコメの双方に力を入れています。ただ「おいしい・かわいい」だけでなく、青春もの・アイドルものとしてストーリーもしっかり練っているので、そこにも注目していただければと。

――今後の目標や展望はありますか?

現時点での目標は自作のアニメ化です。私の趣味はアニソンダンスバトルの観戦なので、バトルで自作のOP・ED曲が流れる日を夢見て、『背徳メシ』を人気シリーズ化させていきたいですね。

――最後に、これから本作を読んでみようと思っている方へメッセージをお願いします。

グルメを扱ったラノベは数あれど、異世界要素のない現代ラブコメでのグルメものは何気に珍しいのではないかと思います。グルメ漫画やドラマに目がない方、ちょっと変わったラブコメを読みたい方、アイドルが好きな方にも、ぜひ手に取っていただきたいです。
2月24日(土)には2巻も発売になりますので、よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

世話焼き男子・鈴文と、人気アイドル・優月の「メシ堕ちバトル」を綴った、及川輝新先生にお話をうかがいました。食欲をかき立てられる数々の背徳メシや、優月以外にも魅力的な女性キャラクターが登場する本作。二人の戦いの行方がどうなるかは、『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』の本編でぜひお確かめください!

<了>

<取材:ライター・及川輝新>


というわけで、同期の滝浪酒利さんや眞田天佑さんのインタビューが羨ましかったので、1人2役でインタビューを敢行してみました。
ライターやってて助かった。

これを読んだ出版社・ラノベ関連サイトの関係者の皆様、インタビューのご依頼お待ちしています!

『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』第2巻は、2024/2/24(土)発売!ただいま予約受付中です!

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