見えなくても「いる」ことーたまに、あの人の変な意思表示を感じます。(06)
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これまでのあらすじ。
全くもって霊感のない「わたし」。
夫が空へと旅立ったのに、夫は夢に立つこともなく、化けて出てくることもなく、悲しくさびしい日々過ごしていました。
が、ある時に気づいてしまいました。
あれ……
これ、あの人(夫)の意思表示!?
なんの意思表示だよ!!
という、たまに、謎の、あの人の変な意思表示を感じる時が出てきました。
おかげでちょっと前向きに生きていられる、「わたし」の備忘録です。
※このお話の時系列はあちこちに飛びます。
こちとら見えないのに、カッコつけてる「あの人」
私は本当に霊感がない……。
でも見えない世界や物ってあるんじゃないかなって思ってます。
なんというか、赤外線とか紫外線みたいな感じといいますか……。
見えないけど、理論上「ある」とか、概念として「ある」じゃないですか。
自分が「見えない」「わからない」からって、全てを否定ってのはないなあというか……。
だって、普段見ているテレビやパソコンだって、
「なぜリアルタイムでビデオカメラ等で映した映像にテロップとか効果音つけて、自分の手元まで秒速で観れてるのか?」
なんてハード的にもソフト的にも説明できなくても、家電の構造も世の中の仕組みが分かっていなくても、恩恵があったり、受け入れていたり、生活に当たり前のように溶け込んでたりしているので…
そんな感じで、俗にいうスピリチュアルなこと、神様や霊の存在も
「私の身体には見える装置が備わっていないだけで、まああってもおかしくないよね……」
という、受け入れてるけれどもちょっと冷めた感じで捉えていましたし、今でもそういうところはあります。
なので、夫が天国に旅立ってから
「うーん……夫が私を一人にしてしまって、すまなすぎて夢にも出てこないのかな…」
「私、まったく霊感ないからなあ…。」
夫の変な意思表示だと気づくまで、思えるまで、そばにいてくれてるなんて思ってもみなかったし、思っていなかった時。
仕事仲間でパワーストーンでカスタムオーダーメイドでアクセサリーを作っている女性に、ふとしたことから「マジで夫、私の元に来てくれないんですよねー」と愚痴ったんですよ。
彼女は、注文した人に合ったパワーストーンやその人に今必要な石でブレスレットを作りながら、相談してくる人自身の気持ちや意志を見つけて伝えるのが得意で仕事にしている人で、簡単にいうと、パワーストーンと人生相談とアドバイスのトリプルコラボを形にしていて、私は尊敬の思いを込めて
あらゆる「意志」を伝えるパワーストーン屋さん
と呼んでいるんですが、そういえば出会い方も知り合ったのも不思議な縁だったんですよね。
(趣旨が逸れるのでこの辺の出来事は大幅に省略!)
その時は、彼女に修理とメンテナンスを頼んだブレスレットの受け取り日。市販のパールのブレスレットで、パソコン作業をしていたら突然プッツリ真ん中から切れてしまったもの。
いくつかパールと石を交換してもらっただけなのに輝きを増して戻ってきた。
品物を受け取って料金を支払った後にビジネスの話で盛り上がっていたのが、あよあれよと女子トークが盛り上がり……あ、そういえば彼女は「こうした分野」は得意というか、言っても引いたりする人じゃないと信頼していたので
「マジで夫、私の元に来てくれない……」
となげいたところ。
彼女「えっ?いるいるー(笑」
私「えっ?マジですか!?」
その時の私の心境。
やっぱり!私見えないし気づかないし霊感ゼロだ!!
あれ?ちょっと待って、まさか彼女と出会えたのって夫が旅立ってからだから……まさか、気づかせるために夫が引き寄せたのか!?
そんなことを頭にもたげながら、彼女が伝えてくれたのが
「旦那さん背が高い人だよね。白いポロシャツ着て……なんていうの?四角い黒いバッグ下げてて、黒いズボンはいて……」
私「えっ?黒いTシャツじゃなくて?」
彼女「うん。白いポロシャツで、襟の部分だけ?黒くなって模様が入っているやつ……」
今振り返ってみても、「よく速攻で見えるの信じたよね!」「黒いTシャツ着ているとか着ていないとか、一体なんの確認だよ!」って、客観的に自分でも思ったりするんですけどね……(笑
これ、一体なんの確認したのかというと……
あの人(夫)、私が「カッコいい!男前!!」って褒め称えて本人超お気に入りの服装でそばにきてた………!!!
夫は黒と青の洋服しか着ない人だったのを、私が「えーもったいない!目が大きくて童顔系だから、他の色も絶対に似合うって!」(ガチ本音)と伝えまくってたんですよ。
そしてようやく夫が「白なら着れるかも……あれ?オレ似合ってね!?(嬉)」ってなった服装に、これまた夫のいつもの愛用品(バッグ)を身に着けた姿が、彼女が「いる」といった姿だったんですね。
しかも、よくよく聞いたら一番男前で痩せてた時の姿……!!!
ちょっ……!!私、見えないんですけど!?!?(爆
見えてないのに、私と本人が一致して「オットコマエ!」という格好でいるって……!!
これは、私のためでもあるし、彼女にいいトコ(好印象)みせたくての格好か!!
彼女にお礼を言った後に、ふと
「パワーストーンって、私にも必要なのかな…」
と聞いてみた。
「今はいらないんじゃないかなあ。必要な時は『必要』ってなるし」
私が持て余している夫と私自身の意志を、彼女が伝えてくれることに感謝しています。
そして、ブレスレット切れた時は「縁起悪いのかな…」と思ったけれども、こうして振り返ってみると、なるほど夫の所業かと…
夫の変な意思表示の1つとして、私の中でカウントされました。
※ 全文を無料公開としていますが、エッセイ小説を書くのは時間と気力が必要です。感想やサポートをいただけると励みになります。
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