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中間貯蔵施設内を見た素朴な感想

東日本大震災・原子力災害伝承館を見てきた日に、中間貯蔵施設も併せて見学してきた。
伝承館のレポートはこちら

まず思ったのは、中間貯蔵施設はかなり大きい施設である、ということだ。

大熊町と双葉町それぞれ原発周辺かつ国道6号の東側の地域の約1400万㎥の土地であるが、数字よりも広いように感じた。バスで移動したが、本当に広大で見学会は約1時間かかった。

そういった広大な敷地に、土壌貯蔵用の土地が生成してあったり、その前段階のための設備(施設)があちこちにあった。さまざまな企業が協力して、福島県内から運ばれてくる土壌を管理・貯蔵している。我々は双葉町、大熊町の地権者さんたちに感謝しないといけない。

しかし、現状は中間貯蔵するための仮保管している土壌がかなり多い。年間400万㎥を中間貯蔵施設に運搬しているが、それをすぐには施設に入れられないという現状があるように感じた。

しかしその分、中間貯蔵施設では安全な保管のためかなり手の込んだ作業をしている。運搬された土壌などは篩にかけて粒子の大きいフレコンのゴミや草木を省いて土のみにする。そして土は6層の構造を持つシートの上に保管し、絶対に放射性物質が地中に漏れないように徹底している。ゴミや草木は焼却施設で灰にしてから処分している。

これらの設備はほぼすべて「仮」である。仮の施設なので、頑丈な建物の中にあるわけではない。雨風を防ぐ必要のある設備はほとんどがテントの中だ。

また、この施設の驚くべきところは、保管施設から少し目を逸らすとかつて人が住んでいた民家がすぐそこにある、ということである。熊町小学校がバスから見えたが、震災当時のままのようだ。公民館は津波で建物の半分が流されており、寺の石垣も崩れたまま残っている。

一部の建物は施設のため取り壊されたが、一部はまだそのまま。「時が止まっているようだ」という表現をしようかと思ったが、それは不適切であると思う。建物の周りや畑だったと思われる場所は雑草が生い茂り、木も伸び放題。10年という時間の重みが感じられた。

中間貯蔵施設は一般の見学も可能らしいので理解を深めるため行ってみても良いと思う。

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