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東日本大震災・原子力災害伝承館に行ってみて

今年オープンした東日本大震災・原子力災害伝承館に23日、行ってきた。少し南にいけば中間貯蔵施設、そして福島第一原子力発電所があるという、そんな場所にある。ここの周辺は復興できているように見えるが、ちょっと離れるとまだまだ手つかずの場所や入れないところが多くある。

伝承館にはモニタリングポストは当然のようにある。ちなみに自分が行ったときの線量は以下の通り0.053μ㏜/hであった。福島市は除染を進めても0.1μ㏜/h程度ある場所がまだ存在するので、このあたりはだいぶ除染が進み、安全な場所であることがわかる。

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伝承館の中ブースごとに内容が異なっていた。それぞれについてみた感想を述べていく(細かい内容は書かないつもりなので、自分の目で見てきてください)。

プロローグ

プロローグでは、県の原子力についてを中心とした軌跡、ならびに震災についてざっと大型スクリーンに映し出される映像を見た。ナレーションは西田敏行さん。当時の福島について知らない人にとってはわかりやすく説明していると思う。また、映像が終わるとスロープを登って2階の展示を見にいくが、スロープの途中には面白い展示があるので忘れずにみてほしい。

ちなみにこの映像は放映時間が予め設定されているので、入れる時間が制限されてしまう。一応時間をみて入館したほうがよさそうだ。

1.災害の始まり

ここには震災前の様子があった。(案の定常磐線の本数は少ないが、)浜通りは原発関連でかなり賑わっていたようだった。自分がエネルギーなどへの関心を持てたのは震災後のことだったので、震災前の様子を知れたのは良かった。当時の自分と近い年齢だった人も原発についての学習があったようだった。原発は身近なものであったのかと思う。
それに加え、もし原発で事故が起こってしまったときの対応についての情報がしっかり町から掲載されていたのは驚いた。原発はもしものことを考えれば脅威でもあるが、それ以上に町を豊かにしたものであったようにも感じる。

2.事故直後の対応

原発事故後の模型が展示されていたが、かなり手の込んだものだった。津波や爆発による瓦礫の様子まで再現されてあったのは正直驚いた。事故直後の様子は知らなかったので勉強になった。

また、原発事故の詳細についての映像があったり、年表で国、東電、自治体の行動が表でまとめられていたりと、かなり豪華だったと思う。

3.県民の想い

実際避難をした人たちの様子や、学校に残されていた学用品や津波にのまれた物品などが展示されていた。

自分は震災後避難していないので、実際に避難した人の様子が知れたのは大きい。その当時をそのまま知れるという感覚だった。

4.原子力災害の影響

原発事故後の福島の様子や影響がものとともに展示されていた。

個人的に面白かったのは、自分がこの目で一度見たものも展示してある、というところだ。事故後に使っていたガラスバッジや甲状腺検査の機械も展示されており、まさに自分が見たことのあるものがそこにあった。
自分は普通にのほほんと生きているようにも思えるし、そう見えているかもしれないが、自分は実際に事故の被害に遭った人間であったことを感じさせられた。

自分の体験や直接TVで見たものが多く、ただただ懐古しただけだったが、原発事故後の福島についてよく理解していない方々や偏見を持つ人にはじっくり見て学び、正しい知識を得てほしい。

5.復興への挑戦

今後の復興をどうするか、原発を廃炉にするためにどうするかなど、未来についてのコーナーだった。個人的にここが一番大事かもしれないと思う。これからどう浜通りを復興するかを実際に開発しているものの展示とともに、方針についていろいろ学べた。

復興に関するなんかよくわからないゲームがあったので、時間があればやってみたかった。

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3階の屋上にも上がることができ、海も見える。この日はよく晴れていた。
1枚目は東、2枚目は南、3枚目は西、4枚目は北をそれぞれ向いて写真に収めた。屋根には太陽光パネルが乗っている。

こんなに奇麗な海なのに、津波が押し寄せたこと、震災後はまともに足を踏み入れることができなかったという事実を忘れてはいけない。

全体の感想

全体的に災害の様子を伝えた映像や被災者の証言映像が多くあった。映像に残しているし、その人の想いを肉声を通して感じられるのでとても良いことであるが、今回は全部見て回る時間がなかった。もっと時間があるときに行けばよかったと思う。また、今回は聴けていないが、時間が合えば語り部のお話も聴けるので、機会があれば聴きにいってみたい。

今回は教授のポケットマネーで入館したが、チケットを見て600円だと知ったときは物足りなさを感じた。600円は少し高いかもしれないが、もっと時間を確保した状態で行けば入場料に見合った内容であると感じるかもしれない。

行かないよりも行ったほうが良いのは間違いない。もし行ったことがないのであればじっくり時間があるときに行くべきであると思う。

最後に、建物は海に対して弧を描いていたが、あれは津波対策なのかな?

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