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頁3「充電されていないので出来ません」
韓国滞在先の部屋には、エアコンはおろか扇風機もないので、せめて小型の扇風機が欲しくて家電店へ訪れた。
手持ち型か卓上タイプ、風音はどれくらいするかなど、実際に見てみたかった。
入店し「何をお探しですか〜?」と定型の挨拶を投げかけてくる店員さんをあいまいな会釈で通り過ぎ、扇風機が見えた二階へ。
扇風機は、そのほぼすべてが大型のもので、USBケーブルで接続する卓上タイプのものが一つだけあった。
ディスプレイは、卓上扇風機ときれいに結ばれたままのUSBケーブルがそれぞれにポツン。
さっきあしらってしまった店員さんたちのうち、明るい髪色の青年店員氏が追ってやってきたので、「(扇風機を)点けてみていただけますか?」と尋ねてみた。すると、ちょっと困ったように、
「充電されていないので出来ません;」
え……?
いや、充電されてるか、されてないか、はどうでもいいのよ。このケーブルを、今からどこかに繋げて電源点けてみてもらって、実際の動きを見たいのよう。だって実店舗での買い物ってそういうことじゃない? 点けて見せる気、ないん? なら、それでもいいけども。けどそんなんで、この扇風機、誰がどう気に入って買うの??? 富豪!?
─という困惑を一瞬のうちにひととおり頭のなかで駆け巡らせたあと、「あ、はい……」と店をあとにした。
「充電されていないので出来ません;」
「じゃぁ、しょうがないね♡」とは決してならないし、「充電しといてよ!」も違うし、なんど思い返してもよくわからない返答で可笑しかった。
*
そのあと結局、雑貨店で買ったのが『エアコン扇風機』なるコチラ。
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エアコンの利いたリビングからのもらい冷気で過ごす日々──寝苦しさで目覚めた夜も、これでずいぶんと涼しくなった。
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