52 サイ型メカローバー サフル ~ アニメ「モンタナ・ジョーンズ」に登場した「メカローバー」を紹介するエッセイ
<登場メカ>
サイ型メカローバー サフル
<登場回>
第52話 さらばサバンナの陽(最終回)
<舞台>
コンゴ
<お宝>
ソロモン王の黄金のマント
<解説>
いよいよ最終回となりました。
リアルタイムで見ていたとき、「そろそろ終わるんじゃないかなあ」と、複雑な気分になっていたんです。
そこに次回予告で最終回の告知が来たので、「わあっ、やっぱりか!」となったわけですね。
とにかく緊迫した感じの予告だったので、「いったい、どうなるのかなあ?」と思っていました。
これで最後になるわけですが、なんだかさびしい気持ちもあります。
予定どおり最後に「あとがき」をつけておきますので、よろしければ最終回もおつきあいください。
*
舞台はコンゴ、メカローバーはサバンナらしくサイ型になります。
「サフル」はイスラムの神話に登場する魔神の名前だということです。
ボティはキャビンのような作りになっていて、上部には排気用の煙突がついています。
実際のシーンこそ描写されていませんが、内部でスリムとスラムが燃料(石炭?)を投入しているのでしょう。
サイと言えば特徴的な形状の角ですね。
ここからミサイルを発射できます。
作中ではけっこうな数をぶっ放していましたから、弾薬はふんだんに搭載しているのでしょう。
さすがに最終回くらいはゼロ卿も、予算を奮発してくれたのかもしれません(汗)
パワーは抜群のようで、機動力もなかなかのものです。
小型メカが登場しなかったのが、ちょっと残念ですかね(汗)
*
物語はのっけから緊迫したシーンではじまります。
ワトシの村という現地の部族の集落を、なんとメリッサの父・ソーン大使(CV:糸博さん)が訪れています。
中の人ですでに出オチなのですが、ここではあえてふれないことにしましょう(汗)
大使は族長の案内で、財宝をありかを示す洞窟の地図を、見せてもらう手はずになっているようです。
しかしここで、大使の現地ガイド・サボタ(CV:龍田直樹さん)が、その地図を奪って逃走してしまいます。
いきなりパパ・ヤバゲーな雰囲気ですね。
このピンチに、いよいよ主人公・モンタナたちが駆けつけるという流れになります。
*
一夜明け、近隣の町でそのサボタとスリム&スラムが合流します。
やはりというか、ゼロ卿と取引をしていたのですね。
金銭と地図を交換しようとしますが、ここで謎のおサルさんが登場!
追いかけてきた族長の息子・ソルの相棒(?)でした。
部族から逃走する中で、スリムとスラムはモンタナのケティを発見し、飛行機に積もうとしていた箱の中へ地図を隠してしまいます。
最後の最後まで抜けていますね。
結局、地図はモンタナの手に。
いっぽうチャダとアガサおばさんからソーン大使のピンチを聞いた彼は、急ぎメリッサ&アルフレッドと合流します。
そして大使の日記をヒントに、ワトシの村へと急行します。
*
途中、サボタから声をかけられ、事情を知らない彼らは村への案内を頼むことに。
これもやはり、ゼロ卿の手引きでした。
そうとも気づかずサバンナの中へと連れこまれた一行。
お約束どおりゼロ卿一味が登場し、地図を奪ってしまいます。
しかしひそんでいたソルの機転により、ハチの巣大作戦(!?)でもって一味を撃退、また地図を奪い返します(ややこしいな……)
ここでニトロ博士がサフルを駆って登場!
モンタナたちを追撃します。
サフルの角からミサイルが連発され、ついには車に着弾してしまいます。
が、なんとここでモンタナ一行、いきなりダチョウに乗っております(メチャクチャや……)
そのままいつの間にか町の中へ。
最終回だというのに作画が崩壊しかけていますし、スタッフさん方のご苦労が伝わってくる次第です(涙)
モンタナたちはケティで逃亡に成功しますが、いっぽうでサフルは追跡するためのレーダーを機体に打ちこみます。
*
一行がワトシの村へ着くとソルが登場し、族長とソーン大使が向かったという「聖なる山」へと案内します。
地図を頼りに洞窟の奥へと進むモンタナたち。
やっと族長と合流します。
そこへソーン大使が登場。
娘・メリッサと感動の対面です。
しかしアルフレッドの口からは「ギルト博士」の言葉が。
ここでネタバレとなります。
メリッサの父・ソーン大使=ギルト博士だったのですね(わ~お!)
しかしムードをブチ壊すかのごとくゼロ卿登場!
積年の恨みとばかりにソロモン王の財宝を強奪し、崩れる洞窟から脱出します。
いまこそ戦え皆の衆!
なんてノリで一味を追いかけます。
サフルの後部から特大口径のミサイルが発射されるも、機体に乗り移ったモンタナが暴れ、ソロモン王のマントを奪い返します。
コントロールを失ったサフルは崖に激突し大破。
いつものパターンで、ゼロ卿とスリム&スラムは部族に追い立てられ、とんずらする流れに。
たほう、ボロボロになったメカを見つめ、ため息を吐くニトロ博士。
「そろそろ別のスポンサーを見つけたほうがいいかも」
そうつぶやき、とぼとぼと帰っていきます。
「達者でな」
声をかけるモンタナに、
「あんたもね」
と手を振ります。
この演出はいくらなんでも心憎すぎるでしょう(涙)
ほっこりきまくりですし、泣くなというほうが無理ゲーです。
なんだかんだでハッピーエンドとなり、一行はケティで帰還することに。
帰り道でいい感じのムードになるモンタナとメリッサ。
このフラグは予想していたとはいえ、ぎっぷりゃ~を禁じえません(コラ!)
しかし、物語の結びとしては最高でしょう。
長かった旅も、ひとまずは落着といったところでしょうか。
最後に僭越ではありますが、予定どおりあとがきを添えておきたいと思います。
<あとがき>
見切り発車で開始し、個人的な怠惰から何度も筆が止まってしまいましたが、こうして無事に最終回を迎えられたのも、ひとえに読んでくださったみなさんのおかげでしかありません。
私事ではありますが、ひとりの国語好きな文系少年を理系の道へ進ませ、よい意味で人生の肥やしとしてくれた名作のひとつです。
ニトロ博士を演じられた滝口順平さんの訃報に接し、本当に落ちこんでいたのですが、当時常駐していた某大型掲示板上では、
「事情を説明しろ!」
「これで終わったと思うなよ!」
など、ファンの方からの声が多数聞かれ、本当に愛されていたんだなと胸も心も軽くなった次第です。
このように人を思いをつなぐところが、表現とはかくやであるなどと、これを書いていてまたおセンチな気分になってしまいました。
メカローバーはぶっ壊れても、現実の世界で何人ものすぐれたエンジニアを生み出しているのかもしれません。
ニトロ博士、あなたがトップランナー!
わけのわからない結び方ではありますが、最後にもう一度、サポートしてくださった読者のみなさんへ、心からの感謝を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
ところで本作は、権利の関係等からいまだにソフト化されていませんし、当然動画サイトやサブスクでの公式配信もございません。
いいかげんお願いしますよ(涙)
「事情を説明してもらおうか!?」
おあとがよろしいようで。
ではでは。
2022年12月12日(月曜日)
朽木桜斎 拝
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