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ヴィンテージウクレレのネジ穴痕を木工用パテで埋めてみた

先日ウクレレのペグをMAHALOのイルカ(‎UMH100G GD/BK)からGOTOHのUPT(UPT-UBN-GG)に交換しました。交換はうまくいって、日々快調に弾けているのですが、イルカの痕跡でネジ穴が残ってしまっています。これをなんとかするところまでやって、フィニッシュかなと思います。

ペグの上下の位置に
イルカペグを留めていたネジ痕があります

今は穴が空いたばかりで、形もくっきりとして整っています。これもアクセサリだと思えば悪くはないのですが、放っておくとゴミが溜まったり汚れてしまいそうです。長く付き合うのであれば、埋めておいた方がカマちゃん(このウクレレの呼び名)の健康のためにも良いはずです。

何で埋めるのが適切なのか、ざっと調べてみると家具の補修用の木工用パテが良さそうです。かなり種類があって、どれにすべきなのか判断がつきません。セメダインの「木工用パテA」のような数百円のチューブ型もありますし、容量の大きなボトルタイプもあります。容量的には小さなチューブでも使いきれないくらいです。検討するにあたって以下の要件を考えてみました。

  • 大容量は不要(残してもダメにする)

  • 色味はできれば大事にしたい(目立たないようにしたい)

  • あまり高価ではない方がいい(数千円もするのはNG)

ちょうど親しい方に家具職人の経歴のある方がいらしたので、事情を話して相談をしてみました。

  • ネジ穴を埋めるだけなら強度がかからないのでなんでも大丈夫

  • ただ色味には気をつけたい

  • 乾いて硬度が高くなるものは、ネジ穴のような深く狭い穴には入りづらい

  • パテというよりコーキングに近いものの方が注入しやすい(弾力がある)

木部補修用のもので「SEISSO 12色入り」 とか 「パパリペア ミニ 凹み 傷 家具 高森コーキ リペアの達人」辺り、目立たない箇所で色味を気にしないのであれば、木工用パテAでも十分だろうとのことでした。

調べてみると「SEISSO 12色入り」は小型のチューブタイプで、12色が揃っています。単色で使ってもいいし絵の具のように混ぜて、希望する色味を作ってもよしとのこと。チューブの先も細くなっていて、今回のネジ穴埋めにちょうど良さそうです。Amazonで2,000円弱だったので、ちょっと予算オーバーですが、いくつか家具の補修もしておきたかったのでそっちにも使うつもりで購入してみました。

ギッシリ詰まっていました!

色味がどっさり。色味を混ぜ合わせるためのサンプルマトリックス表までついています。そういえば絵の具を使って絵を描くの苦手だったなあ…色のセンスがなくて思うようにいかなかった小学生時代の記憶が蘇ってきました。

ちなみに、パテを使う以外に木材を切った時に出る粉にご飯粒を練り合わせて埋める「こくそ(木屎)」という日本の伝統的な技法もあるとのこと。UPTの穴を広げる際に細かいきれいなコアの削り屑が出ていたのに捨ててしまった!失敗した…。いい勉強になったので、次回チャンスがあったら試してみたいと思います。

とは言えせっかく購入したパテですから、使ってみます。チューブの外観からヘッドの色味に近いものを選び出します。もし混ぜるようなら薄いものから徐々に色を合わせるようにと注意書きがあります。混ぜてみたかったのですが、ネジ穴が細いので、混ぜてヘラで押し込むより、細いチューブの先から直に注入した方がうまくいきそうでした。今回は混ぜるのは見送って、12色から一番近い色を選んでいきます。色を確認してみると、Yellow Sandawoodが一番近そうです。最悪失敗したら比較的弾力のあるタイプなので、パテを取り除いて再チャレンジすればいいだけです。注入すると乾いて多少なりとも縮むでしょうから、まずは第一投をしてから、乾かして様子を観察していきましょう。

きゅっと絞り入れたところ
ちょっとみずみずしい感じです

汚したくないところに養生テープを貼っておいて、ネジ穴痕に注入していきます。徐々にチューブからパテを絞り出して絞り込んでいくと、ひとまず埋まりました。乾いたら縮むはずなので、何回かに分けて繰り返し埋めていきます。

すっかり乾いてちょっと落ち窪んでいます

説明書によるとパテが乾燥するまで、2〜3時間は置いておいた方がいいようです。別のウクレレを弾いたりUKULELE MAGAGINEを読み返したり、お茶を飲みつつしばし時間を過ごし、待つこと2時間。パテがかなり乾いて体積が減り、ネジ穴痕が落ち窪んだようになっていました。少し湿り気があるようにも思いますが、概ね乾いて少し色が変わりましたね…水分が飛んだら少し色が濃くなった気がします。概ね同系色ですがもう少し明るい色でも良かったかな。くぼんだところに再度パテを注入します。注入→乾燥→確認→注入→乾燥…を繰り返します。毎度2〜3時間かかるのですが、ネジ穴痕の深いところまでパテが浸透してくれているのか、結構回数を重ねて、おそらく4〜5回繰り返しました。一晩置いたり仕事に出掛けてしまったので、結局3日くらいかかりました。

埋まった!ちょっとボコボコしているのが気になる…

仕上がりはこんな様子です。すこし多めに注入して、盛り上がったところをヤスリで削ろうかと試してみたのですが、弾力性のあるパテなのでグニグニして削れません。概ね埋まっているのでこれでいいことにします。今回は取り付けたばかりのペグを再度外すのがイヤ&弦を張り直すのがイヤだったので、無理やりこのまま作業をしました。しかし大きなペグがあると手が入りにくいしパテがペグを汚すしで、ややストレスフルな作業でした。時間ができたら、一度パテを取り除いて、色味を含めて再調整しようと思います。その際はUPTも一度外して広々と作業をしたいと思います。

ちょっと不本意なところもありますが、今回アドバイスをくださった元家具職人に写真を見ていただいたら、「初回にしてはいいんじゃない?」とのお褒めをいただきましたので、ヨシとします。「やり直すなら、木の地色の明るい方の色に合わせて埋めてから、筆を使って濃い色で木目をトレースするとほとんどわからなくなるよ」とのことだったので、頑張ってやってみたいです。年末あたりにやるかなあ。いまの弦がへたる頃にやってみたいと思います。

とりあえずこれでK100のメンテはひと段落しました!あとは引くだけです。日々触っていてだんだん馴染んできました。ネジ穴痕を埋めることでさらに愛着が湧いたように思います!

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