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寒すぎるカフェ

朝入ったカフェの冷房が死ぬほど寒かった。やられた。このところクソ暑い日が続いていて油断していた。いつも鞄にカーディガンを入れているのだが、あまりにも着ないのでちょうど今日家を出るときに家に置いてきたのだ。ところがそんな日に限って外も比較的涼しく、おやおや、と思いながら入ったカフェの冷房がキンキンだったのである。なんて間が悪いんだ。畜生。

これは僕の至らない部分なのだが、冷房が効きすぎている店に当たると「ここのオーナーはバカなんじゃないのか」と思ってしまう。暑さ寒さの感じ方は人それぞれなのだからそんなことを言われる筋合いはないだろうが、それにしたって限度がある。暑さをしのぐための文明によって寒くなっちゃうってなんだそれは。加減ってものを知らないのだ。きっとここのオーナーは教科書の偉人に落書きするときもいろいろ足しすぎて全然面白くなくしちゃうタイプなのだろう。いらないいらない。そんなにたくさんの要素いらないんだよ。特に額の「肉」がいらない。欲張るな。あれどすなあ~。いろんな意味で寒くするのが得意なんどすなあ~。オーナーはん。

などと、会ったこともないオーナーをはんなりと罵倒したところで寒さが和らぐわけもない。僕にできることは、体中の筋肉に力を入れて体内から発熱を促し、自らの熱で寒さに対抗することだけである。バカなオーナーのせいで、僕は朝のカフェで定期的に全身に力を入れるはめになってしまったのだ。なんだこれは。なんでリラックスする場所であるカフェでこっそり筋トレみたいなことしなければいけないんだ。

???「ふふふふふ……実はそれが狙いなんですよ……。そうやって全身に力を入れることで、知らず知らずのうちにインナーマッスルを鍛えることができるんです……」

そ、その声は……もしかしてこの店のオーナー……?

たぬき「いいえ、オーナーではありません!あっしは通りすがりのたぬきでやんす!」

な~んだ!通りすがりのたぬきか~!紛らわしいなあ~!(笑)

二人「はははははははは……」

ほら!冷房が寒すぎてこんなになっちゃったよ!なんだ通りすがりのたぬきって!これもみんなバカなオーナーのせいだ!どうしてくれるんだ!責任とれ!責任を!この野郎!

明日からまたカーディガンを持ち歩こう。

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