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ジユウブン

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雪の広場
ここには音がない。ただ雪が降り、空は灰色をしている。地面には雪が積もり、人々はただ空を見上げている。誰も何も話さない。広場で人々が等間隔に立ちすくみ、ただ空を見上げている。灰色の人々だ。噴水があって、僕は時々地面を見つめる。ここが死後の世界なのかもしれない。幼少期に何度か見た世界。

白いタワー
診療所の裏道を彷徨う夕方にいる僕は疲れ果てながらも、なんとか受付にまで辿り着く。どこから来た

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ユーフォニアム

ユーフォニアム

もーもーゆーふぉーのTシャツほしい。5,000円で買える。もーもーゆーふぉーは昔はチュパカブラだった。もーもーゆーふぉーは今ではグレイだ。僕はもーもーをさらう。ゆーふぉーにのってほしに帰るぞ。

ときどき復讐に囚われていた

ときどき復讐に囚われていた

被害を受けたので加害者男性たちを憎んでいた。今となっては関わるだけ無駄なことだと感じている。そもそも復讐なんてしたくない。暴漢に死を、迫害者を殺害せよ、というのが以前抱いていた標語だけれど、そんな活動家みたいなことに突き進むことももはやない。夢だ。妄想だ。憧れだ。ロマンだ。暴漢への反逆というストーリーが楽しませてくれた。東京に核を落とせとか、戦争が起きてほしいとか、そういった破滅願望の産物。もはや

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いちにちひとつの備蓄品

いちにちひとつの備蓄品

一日ひとつ。レモンゼリー、やきとり、さばみそ、おにぎり、おかゆ、天然水、CBD。一日ひとつ。一日三千円。一週間、二週間、三週間。ひとつき三回、備蓄品。レインコート、グローブ、シューズ、懐中電灯、ホイッスル、救急セット、ペーパートランクス、フォークスプーン。一日ひとつ。七日に二つ。買いすぎない。少しずつ。半年かけて。毎月一万円。いちにちひとつ。Amazonで購入する。歯磨きペーパー、ヘルメット、みか

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2021年のいつか

夕方に駅に行くとバスを降りてすぐのところに高校生くらいの男の子がしゃがんで苦しんでいてその隣には彼の友達の男の子がしゃがんで唸る彼のことを心配して眺めていた。僕には彼らをサポートできない理由がある。それは彼らのような不良の子供に集団暴行を受けて病気にさせられたことだ。その憎しみと苦しみは被害体験を経てもなお影響を、強い影響を僕の心に与えている。だからって子供を、苦しむ子供を放置できないので自販機に

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公園 魔女 カラス 散歩

公園 魔女 カラス 散歩

その日は曇りでした。僕たち4歳児たちは港町の公園を散歩していた。そこに1人の女性が現れます。全身の暗い姿をした魔女です。ショッピングカートを押して歩いており、カートにはカラスが下と上に2羽、鳩が3羽乗っています。僕ら4歳児は興味深げに彼女を取り囲みますが、彼女は子供の群れを忌避しているようです。黒いドレスに黒いハットの魔女。使い魔たちは普段は遠くにいて触れることのない動物たちです。彼女は今もあの公

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ヤクルト夢見

寝る前にヤクルトを飲むと詳細な内容の夢が見れた。いつもよりも鮮明で細かい内容の夢になる。

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僕は人類に迫害されている奴隷だ
僕は多くの人々から虐げられている
だから僕はいつかこの忌まわしい人類に対して叛逆を始めようと思うんだ
僕を虐げた人々にとどまらず、人間であれば無差別に殺すだろう
僕の復讐が終わらないことを祈る
人類との決戦だ
あらゆる災害やテロ、戦争に殺人
それらの出来事は僕を笑わせる
醜い人類どもめ
滅べ

お前たちも暴行されてきたのか
よく笑う加害者の声を聴いた
暴漢は殺したい
戦争、テロ、殺人、迫害
傍観者でありたい
だがしかし、暴漢はこの手で殺す
確かな感触を、この手に

暴漢よ、お前たちに復讐する

どこにも

どこに行けばいいのか
どこに行ったらいいのか
行き先がわからない
どこに行けばいいのか分からない
僕はどこに行けばいい?
どこにも行き先がない
どこにいたらいい
どこにいたらいい
どこにいても落ち着かない
どこにもいられない
どこにいたらいい
どこにいたらいい

暴漢を殺害せよ、迫害者に死を

かつて僕が受けた性被害について記録します。それは中学二年生の頃のことです。当時クラスで男たちから集団暴行を受けていた僕はその日もあまり彼らとは関わらないようにと避けていました。すると突然お尻の穴に激痛が走ります。臼井くんが僕のお尻に勢いよく指を刺したのです。僕は痛みのあまり蹲り、そこからしばらく歩けませんでした。臼井くん(※暴漢と記す)暴漢は面白がり一人で笑っています。思えばこんなことばかりの日々

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復讐

あれなあに?僕は紙袋を用意する。祖母は向こうを見る。あれって?僕は紙袋からハンマーを取り出す。やあ、元気かい?僕はハンマーを祖母の頭部に向かって振り下ろす。何度も何度も、ハンマーを振り下ろす。祖母は気絶する。そして傷が広がる。僕は虐待に対する返答をした。初めての叛逆だ。僕は安心した。祖母も人間だ。すぐに死ぬ。僕は復讐の第一歩を成し遂げた。これから次から次へと復讐していくぞ。待っていろ、暴漢ども。僕

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暴漢殺害日和

暴漢を殺害したいです。僕を苦しめた暴漢たちを皆殺しにしたい。眼球を突き刺したい。心臓を抉りたい。暴漢に裁きを。暴漢には何をしてもいい。暴漢は存在するだけで罪です。暴漢を殺害させてくれ。暴漢を殺す。殺す。殺す。暴漢には救いを与えない。僕が殺すので。

成人式には行きませんでした

成人式は震災の翌年にあったと思います。その日は強く雪が降っていてとても寒かったのを覚えています。地下鉄に乗ろうとしたら満員で駅に置き去りにされ、会場に入るや中の人混みに驚いてそのまま入らずに帰りました。帰りの道で水たまりに入りとても冷たい思いをしました。成人式には行かなかったけれどどんなところなのか気になりました。その頃の僕は何をして過ごしていたのかを覚えていません。予備校に通って映画を見て猫に餌

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