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伝えることって難しい。そこに「伝えたつもり」も入ってくると、何が何だかわからなくなる。

カリン・スローターのウイル・トレントシリーズを読んでいる。
警察ものの小説。
ドラマも観たけれどドラマと小説は別物。
主人公の見た目も性格も、周りの人たちの設定も少し違う。
ドラマでは主人公ウィルのチームと別のチームが、それぞれの事件を同じ時間軸で追いかけるストーリ展開になっていて、それはそれで上手くできてて面白い。
チワワもいい演技するし。

その小説を読んでいて、主人公とその警察仲間で使うセリフの言い回しや、それに対する返しに使われる引用が、よく理解できなかったりするところがある。
引き合いに出される引用に、英語圏では隠された意味が含まれているのかもしれないけれど、翻訳で見るとさっぱりわからない部分が時々出てくる。

こちらは本の外の人であって、ウィルとその仲間たちほどの関係性があるわけではないので、いまいちピンとこない。

カリン・スローター本人の実生活に存在する周りの人にはわかるんだろうか?
とも思えるくらいの表現だったりする。

色々本は読んできた方だとは思うけれど、こんな感じはちょっと初めてなのでこのシリーズを読み始めてからずっと気になっているところではある。
原書は読んでないので、そっちではどんな風に書かれているのか気になるところ。

伝えることって難しいなあと改めて思う。
例えばいつも一緒に過ごしている人達の中で、お決まりの言い回しとか、好きな映画や本の話をよくしているとする。
そうしたら、その中のセリフや表現をを引用して、それを使ったらこういう意味なんだよみたいな、言わずもがなの会話ってあるとは思う。

私は周りの人とよくロード・オブ・ザ・リングのセリフでそういうことを言い合うんだけれど、ロード・オブ・ザ・リングを全然知らない人が聞いたら、何言ってんだかちっともわからないんだろうなあと思う。
それはそれで楽しいから別にいいんだけれど。

カフェで20代の女の子が、好きなアーティストのコンサートに行った話で盛り上がってた。いろんなアイテムが売ってるらしく、それを買うために何時間も並んだりするそうだ。

人気があるものは早々に売り切れてしまっていて、その子がたどり着いた時には2500円のお菓子セットくらいしか残っていなかったらしい。
「やっと買えたのー。ゼリーとたこ焼きが4つ入ってた。」
「それだけ?それだけで2500円?」とお友達。
「そうだよ。他の〇〇のグッズとかはもっとするよー。」
「でも、2500円ってちょっと高すぎない?」
「せっかくだから4つ買っちゃった♡」
「まじっ、でも、ゼリーとたこ焼き4つだよね?」
「そう、借金まみれー♡」

やめなさい。そんなこと言ってるとお母さんに怒られるぞ。

しかし、お菓子セットに入ってる「たこ焼き」ってどういうものなんだろう。
私が知ってる「たこ焼き」とはきっと違うんだろうなと思われる。
この子たちにしかわからない「たこ焼き」なんだろうか。
これこれ、この感じ。こういう感じの単語が出てくるのです。

文章の飛躍がときどきあって、それがなんだか危うくて、それでもつい読んでしまう。キャラクターの描写は等身大で、特別なヒーロが出てくるわけでもなく絶妙で、ストーリー展開も気になって続きを追ってしまう。
全てがバチッとはまる熟練の書き手と違って、なんだかフレッシュさもまだ残っていて、お話を一生懸命書いてる感じがする憎めないカリン・スローター。

紫陽花なのかなあ、枯れてるのかもしれないけれど、色が綺麗。

昨日見た映画、BONES AND ALL  
一日経ったけど、心のどっかが切なくて。それでもなんだか2人が羨ましい。
サリー、ごめんね。でもやりすぎ。血で染まったアパートが悲しすぎる。
映像がすごく好みで、あんな景色や空を探してしまう。
あんな旅ができるなんて。
普通に生きることってどういうことなんだろう。
ひとりぼっちになっちゃったけど、愛する人の全部を連れて生きていくマレンなら大丈夫だよね。せめて、大好きな本をたくさん読める環境で過ごせますように。








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