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忘れられない人

某駅のすぐ近くにあった小さな焼き鳥屋で、昼間に立ち飲みをしていた女性を見ました。

焼き鳥屋の中は薄暗く、光は逆光でその人のシルエットだけが見えました。

私と連れはいつものようにその店の前を通った時、同じものを見て、同じことを感じ、同じように言いました。

互いに目を合わせ、

「見た?」

「何て言えばいいんだろう、かっこいいってだけでは表現できないね」と。

そんな光景を私たちは目にしたのです。

それについての多くの言葉が浮かんでは消えて行きました。

言葉の力不足と限界を感じてしまい、突出して立つ一木のようだったその人を「忘れることができない」、この思いだけが残っています。

その人を通じて感じたものが、私の人生のテーマです。

単に憧れるわけではありません。

その道を切り開くように、今日も生きています。



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