昼寝のあとに【コップおじいちゃん】(爪毛の挑戦状)
夏休みに入って、ママは午後は昼寝をしなさいとうるさい。
ぼくは昼寝が苦手だ。
隣で弟とママが気持ち良さげにくーくーと寝息を立てているのを恨めしく思う。
こっそりサイダーを飲んじゃえ。
台所に行き、冷蔵庫の中から冷えているサイダーを一本取り出してコップに注ぐ。
ぱちぱちと炭酸のはじける音。
少しこぼしたけどいいや。
二口飲んでぷわーと声を漏らす。
すると近くでぷわーと声が聞こえてきた。
コップのむこうにおじいちゃんが座っていた。
おじいちゃんだれ?
すると見つかったかと言って立ち上がる。
コップと同じ背のステテコ姿。
焼酎かと思ったらジュースか。
まあこれはこれでうまい。
どうしてここにいるの。
ずっと前からいたんだが気がつかなかったか。
うん。
こうしてたまぁにおまえさんみたいな子供に見つかって話すことはあるがな。
普段見えなくてもいろんなものがいるってことさ。
ふうん。
2人が昼寝から起きてきた気配がした。
見るともう、おじいちゃんはいなかった。
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