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nekonosara
告白【穴の中の君に贈る】(毎週ショートショートnote)
最初地震が起きたのかと思った。
ぐらりとした時、周囲を確認する間もなく目の前にあったはずの景色が突然消えた。
そしてさっきまでわたしと向かい合っていたあいつも。
引っかかるわけはなかった。
引っかける立場にあったのに。
痛え…
おそらくすぐ横にいるはずのあいつの声。
2人して落ちた穴。
おまえがつんけんするから驚かせてやろうと思ったんだよ。
わたしもあんたが突っかかってくるのがウザいから懲らしめようと思ったのよ。
それでふたりしてこんな落とし穴を作って呼び出しあったって訳か…
…ごめん。
…ごめんね。
こんな暗いところから早く出たいよね。
うん、じゃあさ。
今からお前のほうに掘り進めるよ。
じゃあ、わたしもこっちから掘るね。
もしさ。
うん。
2人の間のこの壁が無くなったらさ。
おまえに言うから。
なにを。
ほら。
おまえの手を掴んだ。
指が絡み合う。
このままふたりでいようよ。
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