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所得倍増という国家目標の是非

池田勇人の「所得倍増計画」という国家目標は現在では日本の高度成長の輝かしい目標という受けとめ方をされると思う。しかし、当時の知識人は所得倍増などという即物的な目標を国家目標にあげるなどいかがわしいと思っていた人もいたようだ。

この話を読んだとき、竹中平蔵氏が「今の政策にはワクワク感がない」と発言したのを受けて、西部邁氏が「国家運営にワクワク感などという言葉を使うのはいかがなものか」と憤っていたのを思い出した。

国家運営に「ワクワク感」というのはなんだか村上春樹文学の軽妙なポップ感を感じるのと似ていておかしくもないのではと思ったものだが。

岸田さんは「所得倍増」と言いつつ、実は「資産所得倍増」を主張していた。最近の新NISA参入組と株価の瞬間暴落騒動があって「所得倍増」と即物的な目標をたてるのも違和感がなくなっていることに思いをはせつつ。

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