見出し画像

「哲学」と「思想」の間、世界哲学というたくらみ

ちくま新書で「世界哲学史」というシリーズがある。「哲学」とは「西洋哲学史」のことであり、イスラームやアジアのそれは「思想」と呼ばれ、別枠扱いをされてきた。

「哲学」自体がプラトンによってそれまでの「考えること」についてソフィストと区別する主張をしたことに由来し、「哲学」とはそれすなわち西洋哲学史にのみ適用されるものとして認識されてきたわけだ。

ちくま新書では現代の問題群が環境問題などグローバルな課題となっており、「世界哲学」という大きな枠組みで捉え直そうという野心的な試みをしている。

その際、各専門分野の議論の寄せ集めに過ぎない結果となる恐れはある。統一的な視座で「世界哲学」が成立するかが問われている。

壮大な試みだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?