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林芙美子と西村賢太は似ている

林芙美子の『放浪記』を読んでいる。これが実に面白い。この面白い小説を青空文庫で0円で読めるのだからいい時代だ。

アンパン売りからセルロイドの人形作り、カフェーの女給と女性の根無し草的底辺生活を割と明るくかつ切なく詩的に描いていて大変読ませる文章だ。

何かに似ていると思った。

西村賢太の私小説だ。男性の日雇い労働と風俗嬢との情事を赤裸々に詩的に語っているのが西村賢太なのだが、林芙美子は女版の西村賢太との印象を持った。

底辺の生活感情というものは切なく詩的だ。そんな世界を堪能できる。

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