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本が読まれたがっていた。と言う概念

昔から本を読む習慣が無いというか、本を読むことが苦手で遠ざけて来た人生でした。
そんなある日、お気に入りの珈琲屋さんで何気なく、

「何かについて好きということを、言ってしまうとその何かのことについて詳しくなくてはいけないという気持ちになるんですよね~」

とボヤいてたところ、マスターが一冊の本をお勧めしてくださいました。

人に本を勧められることは度々ありました。
今回は、僕のボヤキに対してマスターが
「そんな悩みあるならこの本いいよ」
と勧めて頂いたことに対してうれしくてお借りすることにしました。
マスターの言う通り、「本を読んでスッキリ!そういうことか!」
とはなりませんでしたが、久しぶりに読んだ本なので理解を深めたいと思い、綴っているうちになにかつかめないかなーと、感じたことについて書き出したいと思います。

『料理と利他』
料理研究家 土井善晴 政治学者 中島岳志
「利他とは何なのか」土井さんの家庭料理の視点を通して紐づけていく、そんな本でした。
まず目次に目を通したときに
「お芋が気持ち良さそうにしているな~」という表現がされた見出しがありました。
思わずクスッと笑ってしまいこのページまで読み進めるのがモチベーションになっていてすいすいページをめくっていきました。

読んでいく中で、「利他とは」という命題はあるものの結局確信には迫らない姿勢を感じました。

これこそが利他なのかもね〜?
こんな考え方こそ利他なのかもしれませんよね〜?
っていう考え方こそ利他なのかも〜?

僕「利他って結局何?」

みたいな。ラフで柔らかて流動的なものだけど複雑に感じました。

ただ、直感的に小さなことについても利他的なものって働いていて、
この本を読むこと自体、土井さんと中島さんの利他を受けていて、
なんなら、マスターの利他さえ受けて本を読むことが出来た、
目次を見た時に、「面白そう読もう」って思った事がすでに本の利他を受けていて、本が読まれたがっていたのかも知れません。
そんな領域の概念だと思いました。

この本を読んで、
利他とは自己犠牲の精神で、いい人になろうとかいい人であろうという在り方ではなく、人や物から何かしらの他力を受けて今の自分があるという考え方なのかと思いました。
それに加え、偶然を引き寄せるスーパーな考え方で、それに気づけたことが本を読んだことに対しての祝福的な。

哲学とか思想とかって、僕にとってはあくまで考え方とか概念であって、人に強制するものでも無いし、人に強制されるべきでは無い、そしてあからさまに人と共有するためのツールにするにしてもなんか違う気がしました。


本を読んだ時や、人の考え方に触れた時は、生活の中でふとした時に、この本を思い出して気付きが生まれたらいいなくらいが、適当でいいのかもしれませんね。

結局長々と綴ってても答えは出ませんでしたけど、久しぶりに本を読み終えることが出来て、嬉しくなった2月でした。


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