4歳の女の子が教えてくれた、世界の切り取り方
この記事に出てきた4歳の女の子、凛ちゃん(仮名)のママからわたしの母宛てにLINEで届いた写真が、母から転送されてきた。
凛ちゃんがカピバラや小さなフクロウ、ハリネズミなどの小動物と触れ合っている写真だった。
動物を見つめながらにこにこと笑う凛ちゃんは天使のように可愛く、ほわほわとした気持ちになりながら見ていたわたしは、最後の写真を見てギョッとした。
凛ちゃんの両手に乗っていたのは、とぐろを巻いてカメラの方に顔を伸ばす大きなヘビだったのだ。
目を伏せてヘビを見る凛ちゃんと、なぜか凛ちゃんよりもカメラ目線なヘビ。
いや、写真の主役は君じゃないから。凛ちゃんだから。
………それはさておき、わたしだったら、ヘビを近づけられただけで確実に悲鳴を上げて逃げ出すし、わたしと同じような反応をする人は少なくないと思う。
母は「他のは手袋してるけどヘビは何も手にはめてないもんね」と言っていたが、問題はそこではない。
どうして、凛ちゃんは大きなヘビを怖がることもなく両手に乗せることができるのか。
ふと、凛ちゃんが以前言っていた言葉を思い出した。
「凛ね、なんでも知ってるんだよ!」
………凛ちゃんはきっと知らないだろう。
ヘビの中には毒ヘビと呼ばれる種類のものがいることも、「アナコンダ」のように巨大なヘビが人間を襲う映像も。
知らないから、怖くないのだ。
わたしたちは大人になるにつれ、いろんなものを見聞きして、経験して、いろんなことを知っていく。
楽しいこと、辛いこと。
安全なもの、危険なもの。
だけどいつしか、その中には先入観とか思い込みとか偏見とか、フィルターや色眼鏡のようなものがかかることも増えていって、「物事の真の姿」を捉えることができない状況も増えていく。
わたしの頭の中には既に、これまで見聞きしたものから「ヘビ=怖い動物」という考え方が刷り込まれていて、生まれてから25年も経ってしまった今、その考え方を覆すことは簡単ではないと思う。
だけど、4歳の凛ちゃんのように、頭をまっさらにして、邪念や先入観、思い込み、偏見を取っ払って世界を見ることができたなら、見えるものもまた変わってくるかもしれない。
例えば、大きなヘビも触れ合い方を知っていれば怖くない(かもしれない)とか。
——小さな女の子が教えてくれた「世界の見方」は、いろんな物事を見聞きして世界というものが構築されつつあり、少しずつ大人になってきているわたしには、とてもまぶしくて新鮮なものだった。
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