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ラーメン屋さんで、思いは巡る

ここ最近ずっと思っていたこと。

ラーメンが食べたい。

学生時代にラーメン屋さんでバイトをして以来、ラーメンが好きな食べ物の一つに入っているわたし。
先週末も食べたのだけれど、そんなのは全然お構いなしだし、いつもはラーメンなら割と何でもいいのだけど、今回に限っては無性に豚骨ラーメンが食べたかった。

———そんなわけで、仕事帰りに買い物をしたついでに、ラーメンを食べて帰ることにした。

***

迷路のように入り組んだターミナル駅を歩いて歩いてたどり着いたラーメン屋さんは、豚骨だけでなく、煮干しラーメンなどバラエティに富んだメニューになっているようだった。

でも、今日のわたしの目的はあくまで豚骨ラーメンなので、一切迷うことなく食券を買う。

わたしの一つ前には、背の高い外国人の男性が並んでいた。
どうやら日本語に不慣れらしく、食券を回収しに来た店員さんと英語で会話をしている。

———なるほど、こういうところでバイトすると、外国人のお客さんと英語で会話することもよくあるんだろうな。

そう思いながらふと店内に目を向けると、日本人のお客さんと外国人のお客さんが半々くらいの割合で座っていて。
少しずつ3年前と同じような日常が戻ってきているのだな、と思うと同時に、日本のラーメンに興味を持って食べに来ている外国人の多さを目の当たりにして、少し嬉しく感じたりもした。

***

席に通されてそう経たないうちに、ラーメンが運ばれてきた。

まずは何も入れず、スープを一口。

———うん、これこれ。
この味が食べたかった。

豚骨ラーメン特有のとろっとした濃厚なスープ。
バイトしていた頃は、必ずまかないでラーメンを食べて帰っていた。
その頃のことを思い出して、瞬間、懐かしさに駆られる。

ほどなくして、コショウと一緒にニンニクも追加。
一人で食べているのをいいことに、好きなだけ掬ってスープに溶かす。

そうして念願の豚骨ラーメンを堪能するのもつかの間。
食べているうち、学生時代には感じなかった胃もたれが。

………わたしもそろそろそういうのを感じる歳ってことか。

去年の夏、クレープを食べて胸焼けがした時に同じようなことを思ったけど、豚骨ラーメンも学生の頃みたいに純粋には楽しめなくなってしまったのね。

切ない気持ちを胸にラーメンを完食し、お店を後にしたのだった。

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