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息抜きは、つめでする

僕はずっと「ネイルデザイン」のことを不思議だと思い続けていた。

爪をおしゃれにすることによってどんな効果があるのだろうか。

元々野球をしていたこともあり
投げるために爪を気にすることはあった。

長すぎても短すぎても投げる瞬間に違和感があり
どうにか同じ長さに保てないかと苦心したものだ。

これはあくまで実用的な話で、
爪の手入れをしておかないと、困るから行っていたのである。

しかし、ネイルデザインとなると話が違う。

別になければ困るというものでもないし、範囲としてもそこまで広いわけでもない。

髪型を変えたり、服装の雰囲気を変えることに比べたら
そこまで影響はないんではないかと僕は思っている。

話を聞くところによると、

ネイルをしている人は、大体1ヶ月に1回くらいの頻度で新しいのに変えているらしく、お店側もそのくらいのタイミングでその季節に合ったデザインを用意している。

自分の身体の一部が1ヶ月に1回は違う色になっていると思うと
なんとも不思議な気持ちになる。

決して実用的であるとは思えないし、影響範囲も広いとは思えない、
ネイルにはどんな魅力があるのだろうか。

そんなことをぼんやりと考えながら、

「最近ネイル変えたんだ」という話を職場で聞いていて、ふいに思ったことがある。

「そういえば、指ってよく見るな」

僕の仕事は基本的にPCを扱う仕事であり、画面を見ている仕事とは言えども、なんだかんだで指は視界に入ってくる。

これまでの感覚でいえば、指は指でしかないので、だからどうということはない。

というか、意識すらしたことがない。

あくまで手指はPCを打つためのもので、自分の考えていることを形にするためのツールにあたる。

野球をしている頃とは違って、骨折などの大けがをしない限りは大した手入れも必要はない。

そう考えていたのか思っていたのか、はたまた何にも考えていなかったのか、手指については完全にノーマークだった。

しかし、よくよく考えてみるとツールには
実用性におしゃれさを加えているものも少なくない。

例えば、スマホ。

ネットを閲覧するためだったり、人との連絡を取るためのツールではあるが
本体のデザインが好みのもを探したり、お気に入りのケースをつけることで、デザインを楽しむという側面がある。

ほかには、車についても同じようなことが言えそうだ。

もし乗れさえすればいいのなら
同じ型で中身の性能だけを上げていけばいいことになる。

しかし、実際にはそういうことにはなってない。

かわいい車だったり、かっこいい車という感じで
デザインの好みで車種を決めることも少なくない。

むしろ、今どきはどのツールも性能としてはかなり高まってきているから
余程のことがないかぎり、利用していて困ることはない。

こうやって考えていくと、爪という人の身体から見ると、ほんとうにごく一部の場所だとしても、
目に入る回数で考えればトップクラスである場所を、

自分のお気に入りの色や柄にするというのは分かるような気がしてきた。

そもそも職場というのは色々と制限があって
自分の好きな音楽を聴きながら仕事ができるわけではないし
お菓子を食べ続けるのもなんとも居心地が悪い。

集団であるため
適度な息抜きをしようにもなかなか難しかったりする。

しかし、自分の爪がお気に入りであれば
タイピングしている間にさらっと爪が目に入ることで
ちょっとした癒しになるはず。

しかも、ごく一部であるがゆえに
最小限で息抜きすることができるわけである。

ここまで考えくると、ちょっとネイルをすることに興味が湧いてきた。

月1くらいで変えることができるなら
飽きずに楽しむこともできそうだ。

ただ、なかなか世の中にメンズネイルが流行っているとは思えない。

いきなり先駆者として
群衆の見方を変えるまで戦い続ける体力は皆無だろう。

とてもそんなことはできる気がしない。

今は、昔に比べると自分を表現しながら生きていい時代になっている。

きっと誰かがメンズネイルを推し進めてくれることだろう。

もし本当に男性もネイルをする時代が来たのなら
ひょっこりこっそりネイルをはじめてみようかしら。

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