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でもこんなことは出来るだけ考えたくない

給与明細を見る。ここ数か月は労働時間が長かったので、比較的たくさん支給されている。ありがたいねと思う一方、健康保険料や所得税やらなんやらで三割くらいガツンと控除されているのがどうにも腹が立つ。

額面を確認してから手取りを見ると、ほんとうにがっくりとした気持ちになる。納税すること自体に不満はない。有益に運用してほしい。あまり期待していないが、言うべきタイミングでは「ちゃんとして欲しい」と言っていかなければならない。でもこんなことは出来るだけ考えたくない。本当はコロッケのこととかを考えていたい。

ぼくがどうにか働き続けられているのは、「お金のことを考えたくない」というのが結構大きい。「ああ明日暮らすのにお金が少し足りないな」とか、「もうちょっと手元に現金があったら出来ることがあるのにな」とか、「儲けるためにズルしちゃお」みたいな気持ちになりたくない。お金の存在によって情緒を翻弄されたくない。これはお金のことが好きだからなのか、嫌いだからなのかはよくわからない。

フリーランスとして生きることを少し考えた時期もあったけれど、ぼくは根本的には考えが浅く慎重さが足りないひとでなしな部分があるので危ないのでは?と思った。目の前の人に(できるだけ)誠実でありたいので、なるべく理性を持ち続けて暮らしたい。判断が曇ってしまう大きな要因になりそうなお金のことを、自分で考え続ける比率が高い働き方は避けるべきだと思ったのだった。

ところで今日の夕飯はコロッケだった。むかし乗り換えでアムステルダムに降り立った時、クロケットを食べてみようと空港内のパブみたいなところに入って注文したら、グラスビールがなぜかバカでかいジョッキで出てきたことがあった。店員さんが「間違っちゃった。サービスであげるよ、内緒ね!」みたいな感じの笑顔で対応してくれたのを思い出す。元気に過ごしてるといいな。

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