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何度目かの『ダークサイド・ムーン』

折角の日曜は雨。子供達の体調も気になるところなので、今日は家で映画を観て過ごすことに決めた。そう決めたのも観る映画を決めたのも上の子だ。

昼食を済ませると子供達は所定の位置へ納まり、私がPCを操作し始めると「トイレいかなきゃ!」と順番待ちをしていた。普段はどれだけ行っておきなさいと言っても聞かないくせに、映画の前となれば進んで駆け込む。そんな我が子の指定タイトルは『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』だった。

上の子はベイバースから始まるトランスフォーマーシリーズ(結局全部ベイバース扱いになったんだっけ…???)を一通り履修してはいるが、順番が滅茶苦茶だった上に2回観たり途中から観たりと曖昧な状態である。憶えていたりいなかったりなので今回2周目に突入した。その3本目となる。

同じ年頃の私は擦り切れそうなVHSのスター・ウォーズシリーズ(当然オリジナル)を何度も観ていたから、そういう時期なのかも知れない。何れにせよ親の影響は大きい。

そんな幼少期をSFにドップリ浸かって過ごした私であるから、当然トランスフォーマーシリーズだって何度も観返している。今回のダークサイド・ムーンはアポロ計画やらチェルノブイリの裏側でこんな陰謀が…!という話はとても好みであり、リベンジよりもストーリーは面白いと思う。

ただ非常に長い。ただ単に長いというだけならばまだマシだろうけど、新たに据えられたヒロインのせいで長くなるというのは面白くない。ミーガン・フォックスの方が好みだったという点をさておいても、馴れ初めの話とかウサギの脚の話とかは冗長としか言いようがない。前作でミカエラになかなか言えなかった「I love you」をアッサリ口にしてしまうところも何か嫌だし、終盤勝手にプラプラしていた彼女と感動の再会!みたいなラストも凄く白けてしまう。

冗長と言えばジョン・マルコビッチも何だかよくわからない。あのキャラ要る?と毎回思ってしまう。その延長線上でワンさんの奇行もクドい。そして面白くない。他にも色々出て来る人間側の新キャラはとにかく鬱陶しくて、その中で唯一マトモな仕事をしたダッチだけが癒しとなるのだ。その割に功績が認められていなくて悔しい。

何となく影が薄くなってしまったレノックスとは対照的にカッコイイ見せ場のあったエップスは本作でも良いスパイスになっているし、サムとの再会に喜ぶ姿も微笑ましい。やっぱりこのシリーズに必要なのは恋愛じゃなくて友情なのだ。

しかしサムがスローモーションで駆け寄ったのは新しいカノジョ。目の前で処刑されそうになったバンブルビーでも片腕を失ったオプティマスでもなく、ポッと出のブロンド女。そんなサムを祝福するバンブルビーの健気さに泣けてしまう。

しかし序盤から圧巻の破壊力を見せるショックウェーブとそのオプションパーツ。立ち向かう人間の一人称視点で進むゲーム画面のような映像も迫力があって面白い。コンテナを曳きながら呑気に走るオプティマスは笑えるけれど、コンテナのギミックは面白いし色々な武装を代わる代わる使い捨てるオプティマスの姿は単純にカッコイイ。オートボット・ディセプティコンどちらの陣営もイケメン揃いであり、人間側の新キャラとの落差がとんでもないことになっている。

ところでセンチネルプライムは何故リーダーのマトリクスを辞退したのだろうか。あそこで「あぁそうだよね、サンキュー!」と言って貰っておけば、もっと容易に作戦を遂行できたのではないだろうか。かつてはメガトロンと手を組まざるを得なかったのだろうけど、アレさえ手に入ればディセプティコンを全員薙ぎ払った上でサイバトロン召喚にも成功できたような気がする。

…のだけれど、このシリーズはそういう細かいことを言い出したらキリがない。そういう映画じゃない。ドカンドカンの美しさを楽しむ映画なので、何となく全体が納まっていればそれで良いのだ。という心構えで観ていないと寝てしまう。

それでも!

あのブロンドのせいでメガトロンは凄く軟弱なキャラクターへと落とされてしまったのは納得いかない。そしてそんなメガトロンのせいで最終決戦は何となく漁夫の利的にオプティマスの勝ち!となってしまったのはもっと納得いかない。序盤の冗長な部分を省くことができれば、これまでの因縁に正当且つ重厚な幕引きができただろう。

こうなってしまったのは結局ミーガン・フォックスのせい…ということになる…のか…?


色々言いながらも、多分また観るんだけどね!

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