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映画感想文Lite│「トレーニング デイ」
悪いデンゼル・ワシントンが主演の「トレーニング デイ」を鑑賞。
主演作品は数多くあれど、概ね良い人役が多い(自社調べ)善デル・ワシントン。しかし本作のデンゼル・ワシントンはとにかく悪い。そんなデンゼル・悪シントン(アロンゾ)はベテランの麻薬捜査官であり、新入りであるジェイク(イーサン・ホーク)はその先輩の姿を見て時に疑いの眼差しをまた時には羨望や憧憬の目を向ける。何だか少し「リトル・シングス」を思い出す。
そんなジェイクが麻薬捜査官としてデビューする初日の姿を観客側は見守ることになる。従ってアロンゾが本当にワルなのか、それともワルに見えるだけの仕事熱心な先輩なのか、という点についてハラハラさせる展開が続くので、少々出来過ぎ感は否めないものの程好くヤキモキさせてくれたり或いは剥き出しの正義感で仕事に臨むジェイクの様子が爽快でありつつも同時にアロンゾの態度が気になったりと、話自体は良く作られていると感じられた。
が、会話のテンポがあまり良くなかったり、何だかこのシーンは妙に長いなぁと感じられてしまう所(ジェイクがパイプを吸った後など)が少し引っかかったり、話の都合上仕方がないとは言え結論が先延ばし先延ばしになって「で、結局何についての映画だったっけ…?」みたいに集中力が途切れてしまうといった部分も見られた。
それでも主演2名の演技には引き込まれるものがある。最初はただお行儀が良いだけに見えるジェイクは、最後の最後で危険な街(ところで何故愛人はあんな場所に住ませているのだろうか…)から歩き去る際にとんでもなくアブない目をしていた。そしてその様子はジットリと撮影されていて、静かなのに印象に残る見応え抜群のシーンとなっている。
自身の正義感によって命は助かったものの、同時にその他の全てを失いかねない…という不透明な状態でエンディングを迎える物語に対して、物足りないと感じるか丁度良いと感じるかは人それぞれだろうが、少なくとも私はあれで良かったと思う。
結局のところ世の中キレイごとだけでは動かないが、それでもその美しさを失ったら何も残らないのだ。という自分なりの結論を見出せるのだから。
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