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ジョイフル本田の決算内容を3分で解説!

今回はジョイフル本田の決算内容について見ていきましょう。
ホームセンター業界ではトップ10に入るこの会社、決算内容はどうでしょうか?

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比△5.3%の減収で1,235億円となりました。一方営業利益は前年比+6.4%の増益で122億円、当期純利益は+23.5%の大幅増益で110億円となりました。またジョイフル本田では「EBITDA」と「EBITDAマージン」の指標も管理・公開しています。 EBITDAは前年比+4.5%149億円、EBITDAマージンは+1.1%12.1%と高水準を維持しています。
 *ここでのEBITDAは「営業利益+減価償却費」で算出しています
売上高は減収となりましたが、営業利益・当期純利益ともに2年連続で過去最高益を達成しています。

出所:決算説明資料

売上高自体は前年比で減収となっていますが、売上総利益率は+0.7%改善しているので売上原価のコスト削減が成功したものと推測できます。また一般管理費も前年比で△25億円のコスト削減がされているので、これらの効果もあり過去最高益を達成できたのではないかと思います。

営業利益率の改善に関して過去の推移も含めてもう少し見てみましょう。
まず営業利益率が改善する要素として「粗利率(売上高総利益率)の改善」と「一般管理費の削減」が考えられます。過去からの推移を見ると、この2点ともに改善しています。
まずは粗利率ですが、2019年は29.4%でしたがそこから3%改善して2022年では32.4%までになりました。約10%の改善です。
また一般管理費についても大幅に改善しいます。2019年は363億円だったのが、2022年には332億円と31億円の改善に成功しています。
一般管理費の中で一番ウエイトの大きい「人件費」での改善が効いていて、労働時間が2019年から2022年までで△14%削減されています。
その結果、人件費は2019年の219億円から△20億円削減されて2022年は199億円まで下がりました。

出所:決算説明資料

その結果、営業利益は2019年から2022年までに大幅増の+45%となりました。また営業利益率も大幅増で、2019年の5.8%から+4.1%改善して2022年には大台の10%まであと一息の9.9%まで改善しました。
4年間でここまで改善するには相当の苦労があったのではないかとおもいます。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次にBSの状況について見ていきましょう。
総資産としては前年から△41億円減少しています。自己株式取得などもあり、現預金が△30億円減少しております。あと出店用地の売却によって固定資産も△32億円減少しています。

出所:決算説明資料

自己株式に関してもう少し詳しく見ていきましょう。
まず今回の自己株式取得に関しては、2021年12月に市場買付けで317万株の総額49億円(ほぼ50億円)で取得を実施しました。

出所:HPのニュースリリース

その後、2022年5月に取締役会の承認を経て333万株572億円の自己株式を消去しました。よくある流れではありますが、「自己株式取得→自己株式消去」という流れで実行しました。

出所:HPのニュースリリース

自己株式取得の際は当然ながら現預金が減少して、その分自己株式が増加=純資産の減少となります。その後の自己株式消去に関しては、純資産の内訳が変わるだけなので純資産の総額自体は変わりません。ここの動きに関しては、株主資本等変動計算書の記載で確認できます。自己株式を消去する572億円に相当する金額を、その他資本剰余金から122億円その他利益剰余金から450億円振り替えています。
これによって純資産の総額は変わらない処理となっています。

出所:決算短信

この自己株式消去によってROE改善株価上昇の効果が期待できます。ROEに関しては、2021年決算時にその前年2020年の10.8%から8.2%まで下がってしまいました。おそらくその影響もあって今回の自己株式消去の判断に至ったのかもしれません。ただその効果はしっかりと数値に表れており、2022年決算では9.7%まで改善しましたのでねらい通りの結果ではないでしょうか。

出所:決算説明資料

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年から△30億円となりました。内訳としては営業CFで+78億円、投資CFで+13億円、財務CFで△122億円という内容です。
設備投資関連で59億円の投資がありましたが、出店用地等の売却収入が76億円ありましたので投資CFはプラスとなりました。

出所:決算説明資料

財務CFに関しては長期借入金の返済で△44億円、BSの状況で説明した自己株式取得で△50億円などがありました。また配当金に関しては、ここ9年間増配しており次年度も増配する計画のようです。

出所:決算説明資料

次年度は設備投資でも107億円を計画しているなど、かなりキャッシュが出ていく見込みではあります。その分、本業での稼ぎ営業CFでしっかりとプラスを維持して行くことが更に重要になってくるかと思います。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?


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