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ローソンの決算内容を3分で解説!

今回はみなさんお馴染みのローソンの決算内容について見ていきましょう。

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は対前年比+4.9%の6,983億円となりました。
営業利益は対前年比+15.2%の470億円、当期純利益は大幅増の+106%の179億円となりました。

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出所:決算短信

営業利益の増加要因で一番大きな要因は「グループ会社の利益が伸びた」点です。
もちろんそれ以外にコスト削減などの企業努力はありますが、その中でもグループ会社の貢献は大きな要因でした。

出所:決算説明会資料

その中でも「成城石井」は好調をキープしてしており、セグメント別で見てもコンビニ事業に次いで二番目の稼ぎ頭となってローソンを支えています。
ご存知のように成城石井は高価格帯の商品を扱う高級スーパーです。
高価格帯が故でしょうか、利益率ではセグメントの中でトップを走っています。
営業利益ベースでも対前年比+10億円と大いに貢献しています。

出所:決算短信

もちろん本業のコンビニ事業もしっかりと稼いでいます。
フランチャイズ契約を結んでいる加盟店からのチャージ収入が対前年比+30億円となりましたので、これは直接利益の増加要因となります。
ローソンでのフランチャイズ契約によって加盟店から徴収する金額は以下の様に決められています。

出所:決算短信

またフランチャイズ契約により出店する際には、まず元手として300万円用意する必要があるのでそれなりの覚悟が必要です。

出所:決算短信

一方で経営状況が悪くなり「減損損失」の対象になる固定資産もあります。
今回の決算とその前年続けて166億円の減損損失を計上しています。
そのほとんどがコンビニ事業からのものでした。
事業の特性上、ある程度の減損損失は見込んでいるとは考えられますが、この金額が想定通りなのか、それ以上なのかは分かりません。

出所:決算短信

2.BSの状況

次にBSの状況について見ていきましょう。
資産の部では特に大きな動きはありませんでしたが、補足説明を一つ。
流動資産に「加盟店貸勘定」で472億円計上されていますが、これはフランチャイズ契約を結んでいる場合の特有の勘定です。
内容を簡単に言えば「ローソンが加盟店から徴収する債権」です。

出所:決算短信

負債の方も見てみましょう。
ここでの大きな動きは「長期借入金」に関してです。
まず「1年以内返済予定の長期借入金」を1,000億円返済します。
その後「長期借入金」として500億円を借入します。
その結果、返済期限が1年以内のものが「1年以内返済予定の長期借入金」として200億円計上され、返済期限が2年以上先のものは300億円が「長期借入金」として計上されました。その結果がBS上で見て取れます。

出所:決算短信

これ以外で少し気になる点としては、流動資産6,676億円に対して流動負債が7,046億円と流動資産より流動負債が大きくなっている点です。
手許資金は月商の約7ヶ月分にあたる3,800億円程度ありますので現状では大きな問題はないと思いますが、今後注意を払う必要はありそうです。

3.CFの状況

では最後にCFの状況について見ていきましょう。
キャッシュ全体としては前年末より126億円減少しております。
大きな動きとしては、先程BSの状況で説明した「長期借入金」に伴う500億円のキャッシュアウトと有形/無形固定資産取得に伴う467億円のキャッシュアウトがありました。

出所:決算短信

固定資産の取得に関しては、国内のコンビニ事業に対するものはもちろんのこと、海外事業の店舗設備に対しても67億円の資金を投じています。

出所:有価証券報告書

今回の決算内容3分解説は以上です。
次はどの会社の決算を見ようかな?

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