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面白カヤックの決算書
面白法人カヤックの2Q決算発表がありました。
色々と楽しく読める決算書でしたので、その内容をお伝えしていきたいと思います。
決算概要
まずは決算概要から見ていきましょう。
売上高は42億円(+38.8%)、営業利益は3億円(赤字から黒字化)の増収増益でした。
前年同期の営業利益は赤字だったので、大きく飛躍した決算と言っていいと思います。
中でも中心的事業の「ゲーム関連」の売上高の伸びが大きかったです。
その点については後で詳しく見ていきたいと思います。
四半期ごとの推移を見ていくと、昨年の3Qまでの営業利益は赤字続きでした。
しかし昨年4Qから今年の2Qまでの3四半期は連続黒字となっていて、回復傾向にあります。
クライアントワーク
では次にサービス別の内容について見ていきたいと思います。
サービスとしては以下の5つがあります。
まずはクライアントワークから見ていきたいと思います。
クライアントワークは広告制作サービスで、全体売上高の約20%を占めています。
新型コロナの影響で延期や規模が縮小した案件などもあり、昨年と比べると減収しています。
基本的には受託開発のため、利益率は安定していますが売上高の推移としては横ばい状態が続いています。
ゲーム関連
次はゲーム関連について見ていきましょう。
ゲーム関連は全体の売上高の50%超を占めておりカヤックの稼ぎ頭です。
また今年の1Qから大きく売上高を伸ばしています。
昨年までは1Qで大体7〜5億円くらいで推移していたところ、この1Qでは10億円超となり2Qでも9億円超と堅調に伸びています。
その中での主要タイトル「ぼくらの甲子園!ポケット」、「キン肉マン マッスルショット」、「Park Master」の3つで売上の大半を稼いでいます。
Park Masterに関しては全世界でのダウンロード数が5,000万件を突破し大ヒットしています。
もちろん売上高増加に伴って広告宣伝費などの費用も増加しています。
広告宣伝費は1Qごとに約4億円かかっていて、昨年の水準と比べると約2倍に増加しています。
それでも売上高増加の方が大きいので利益は確保できている状況だと思います。
ちいき資本主義
次はちいき資本主義について見ていきましょう。
売上的には1億円にも見たいない状況なので、収益化としてはまだだこれからのサービスです。
しかし個人的には今後のポテンシャルを一番秘めていると考えています。
カヤックでは地域には3つの資本「地域経済資本」「地域社会資本」「地域環境資本」があると考えています。
その考えをもとに様々なサービスを展開しています。
その中のサービスのいくつかを紹介したいと思います。
SMOUTは地域に移住したい人と地域を繋ぐマッチングサービスです。
地域に移住・関わりたい人が自分のプロフィールを登録すると地域からスカウトメッセージが届きます。
そこからお互いにタイミングが合えば移住へと繋がっていくという仕組みです。
まちコインは地域通貨サービスです。
使い方は色々あって、例えばまちのスナックで出会った人にコインをあげたり、農作物の収穫の手伝いの募集に使ったりもできます。
お金とは何か?と考えさせられるような興味深い取り組みではないかと思います。
このように各地域で様々なサービスを展開していることが今後繋がっていって大きな動きになれば良いなと思います。
財務状況
次は財務状況について見ていきたいと思います。
現預金は月商の約2ヶ月分である17億円あるので問題はなさそうです。
流動比率も180%超となっているので安全水準かと思いま。
業種的に大きな固定資産を持つ必要もないので、設備投資による大きなキャッシュアウトも見当たりませんでした。
固定負債に関しては大部分の16億円が長期借入金となっていて、この2Q累計で約3億円の返済を実行しています。
それでもキャッシュフローとしては+5億円となっているので財務的に大きな問題はないかと思います。
業績予想
次は今期の業績予想について見ていきます。
今回の2Qの結果を受けて通期の業績予想を上方修正しました。
結果、売上高は77億円、営業利益は5億円としています。
2Qまでの結果を考えると十分達成可能な数字ではないかと思います。
全体としては上方修正ですが、サービス別に見ると下方修正したものもあります。
やはりゲーム関連は状況的に上向いているので上方修正していますが、クライアントワークスに関しては下方修正しています。
やはり新型コロナの影響によるイベント等の延期・規模縮小などが大きく影響していると考えられます。
また配当金に関してはカヤックの遊び心が現れています。
今回の上方修正を受けて年間配当額を「3円90銭」(サンキュー)としました。
なかなかこのような配当金額の決め方は見たことがないですよね笑
面白人事制度
最後に人事制度について見たいきたいと思います。
カヤックの人事制度は面白制度に溢れています。
例えば「サイコロ給」というものがあります。
これは給料日前に全社員がサイコロを振ってそのサイコロの出た目によって賞与にプラスαされるという制度です。
ドキドキするけどとても盛り上がりそうですね。
また他の制度では「ウルトラマン型勤務制度」というものがあります。
これは勤務時間を自分で決めて働くという制度ですが、何よりそのネーミングがいいですよね。
何だかとてもやる気が出てきそうです。
この2つはあくまで一例であって他にもまだまだ面白楽しい制度があるようです。
このような面白人事制度に支えられ業績も上昇中のカヤック。
今後どのように成長していくか非常に楽しみです。
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