十六夜 君分の僕ゆらぎ(ショートショート)
参加をお願いいたします。
十六夜 君分の僕ゆらぎ
「綺麗だね」
「え」
「あ、いや。秋の虫の音がさ」
「本当ね」
そっと、ポニーテールの揺れる。君の仕草が好きだ。
「キリギリス」
「うん。キリギリス」
「鈴虫」
「うん。鈴虫」
「コオロギ」
「コオロギ。わかるの?」
「わかんない。わかる?」
「僕もわかんないよ」
ふふと笑い合う、この小さな時間が好きだ。
「あ。あのさ」
「うん」
「月、綺麗だね」
「本当ね」
「君も」
「ん?」
「あ……秋だね」
「秋だね」
秋の夜風は、芒を揺らし、秋の虫の歌を運び、君と僕の想いを揺らす。十六夜のお月さまは煌々とその揺らぎを統べている。
僕の想いは揺らぎながら、そっと君に近づいてゆく。
おわり
こちらの俳句から着想しました。
とても素敵な俳句と感じました。
どうもありがとうございました。
十六夜俳句。素敵な俳句が沢山ですね!
どうもありがとうございました!
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