途中から嘘〜ポンコツ〜
背中がいたい。疲れているのだろうか。こんなポンコツ私めが。
そうさ。私はボロット。ヨレヨレの上着がほつれている。
そうか。背中が壊れてきたんだな。猫背型ボロットだからしかたないね。
倒れ込んだ雨の日の、踏まれた背中に沁み込んだ。あれは涙というものか。あれが涙というものか。
いや、違う。何故ならば、私はポンコツだから。涙なんて難しいものは知らない。
それより見てみなよ。踏んでもらったおかげでさ。私の「心」が転がって、優しい人に拾われた。大事に直してもらえたよ。
だんだんと澄んだ世界が広がる。だんだんとあたたかい世界が広がる。
ポンコツで良かった。ポンコツだからこそ、良かった。
ありがとう。ありがとう。
……ありがとう。
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