物語(O):君がいて君がいなくて僕がいて僕がいなくて共に笑って

あら、今日までなのですね。新曲も沢山出てたのですね。

滑り込みます、本日2作品目。


PJさん&おんなPJさん


👆 O『 混沌と春(仮)/PJ』
この曲を使った場合のハッシュタグ︓ #うたスト #課題曲O
埋め込み用 URL

https://youtu.be/nUm9ExS6wck


君がいて君がいなくて僕がいて僕がいなくて共に笑って

おはよう。

いつもの朝のように、テーブルに声をかける。

カーテンは明るくなり、朝の光がやってきたことを知らせる。

だけどもそこに君はいなくて。

ふと時計を見たら、出掛けた後だったみたい。

おはよう。の向こうには、君がいて。けど、いなくって。

おはよう。の先には、君がいなくて。けど、ちゃんといるんだな。

そんな気がする、今日は有休。


- O - O - O - O-

ただいまを言わない。

帰っても、君はいないから。

また、残業だろうか。

ここのところ、君は残業が多い。

だから僕が夕飯を作る。

まな板はコツ、コツ、コツ、とマイペース。リズミカルとはいかない。

洗濯機は、ガラガラという。生活らしいいい音か。

君はいなくて、君のことを思う。

僕はいるけど、僕は大丈夫。


- O - O - O - O-

いつか。

君が皆を見送るんだよ。

え? ヤダヨ! 私が先だヨ!

ダメ!

だめ!

涙が落ちた。

それで、ケンカはやめて、外へ出た。

赤い空だった。

君と僕がいた。けど、君と僕はいなくって、ただ、赤い空だけがある気がした。

なんだか、わからないけど、二人で微笑んでいたね。


- O - O - O - O-

あれから何年たったろうか。

それから、あの道。この道。そっちの落とし穴とか、こっちの砂利道とか。

たぶん、全部が平行世界だったのかもしれない。

だけど。今、一つ、確かなことは。

君と僕が共に歩んできたってこと。

あの赤い空の下、君と僕とが微笑んでいたこと。





君がいて君がいなくて。

僕がいて僕がいなくて。

共に笑って。


おわり



どうも、ありがとうございました!



この記事が参加している募集

#宇宙SF

6,073件

いただいたサポートは、本を買うことに使っていました。もっとよい作品を創りたいです。 ありがとうございます。