はじめて手を繋いだ日の記録と付き合って2ヶ月の所信表明

昨日は日没の後、江ノ島に向かった。

もっと早く着く予定が、江ノ島駅に着いた頃には19時を回ってしまっていて、「こんな時間に行く人なんかいないよ」と笑いながら、帰路に向かう人たちの群れと反対方向に2人で歩いた。

江ノ島に続く橋の手前まで歩くと、遠くに富士山の影が見えた。
「お〜富士山だ〜」とまだ上京して2年目の私が静かに心を打たれていると、
「一緒に写真撮ろう」と彼が言ったので、少し道を外れて、彼のフィルムカメラで一緒に１枚写真を撮った。

最初のデートで写真を撮られるのが苦手と私が言ったのを気にしていたらしく、一昨日LINEで「2人で一緒に撮ったりするのもダメかな。」と訊かれた。　

一緒に写真撮りたいとか思う人なんだ、と少し驚きながら、そこまで気にしていると思っていなかったので「自分からは撮ったりはしないけど、普通に友達とも写真は撮るから大丈夫」と伝えると、昨日は最初のデートぶりにお気に入りのフィルムカメラを持ってきていた。

2人で写真撮るのは初めてだったのでやっぱり恥ずかしかった。(普通の女の子だったらあのタイミングでスマホでも撮ろ〜とか絶対言えてたんだろうなあ…)

写真を撮ったあと橋のほうに戻った。
なんだか恥ずかしくて彼の反対にある富士山のほうを眺めて歩いていたら、突然名前を呼ばれ振り向くと、「手繋ごう」と右手を差し出された。

びっくりしてまた恥ずかしくなって照れ笑いすると、「繋ぐの嫌？」と訊かれたので焦って「手汗かいちゃうかも。」とかもごもご言っているうちに気づいたら手を繋いでいた。

「繋ぎ方、合ってる…？」と訊かれたけど、お互い経験がないのでよく分からないしとにかく恥ずかしかったので「うん　分かんない（笑）」とだけ答えた。2人とも恋人繋ぎに組みかえる勇気は持ってなかった。

繋いだときの感想としてはすごく月並みだけど、「男の人の手だなあ」と思った。

自分では大きくない方だと言っていたけど、それでも私にとっては大きくて、がっしりしていて、分厚くて、お父さんと手を繋いだ時のような、"守られている"という感覚を強く感じた。
(女性＝守られる存在という考えが嫌いなので出来るだけ対等でありたいと普段思ってはいるけど、不思議と自分より大きなものに身を預けているような感じで全く嫌じゃなくて心地良かった。)

手を握ってる間はとにかくずっとどきどきして、キュンなんて可愛いものじゃなく、もし私がエレキギターだったら爆音の音色を島中の皆さんにお届けしてしまっていたくらいに胸からお腹までが全部ギューーンとなっていた。Apple Watchなんてしてたら脈が乱れすぎて警報とか鳴ってたんじゃないかと思う。あぶなかった。Apple Watch、持ってないけど。


江ノ島を巡っている間、彼は離れないようにずっと手をぎゅっと握ってくれていた。
離した後もまたすぐ手を差し出してくれたり、ちょっと手が疲れたから、と言って反対の手に替えてまた繋いでくれたりして(休まないのが面白かった)、「もしかして手繋ぐモチベめっちゃ高いのでは…」と思った。

彼は車とか筋トレとか、the男なものが好きだったりするし"手荷物は持たない"という謎のポリシーがあったりする人で、人前で手を握ったりするのは嫌なタイプかと勝手に思っていたので、積極的に繋ごうとするのがとても意外だった。

鎌倉でご飯を食べたあと、人の少ない電車の端に並んで座って東京まで帰った。
ぼーっと車内を見ていると、ふと彼がお茶を口に含んで、なんだか少し緊張した空気を纏い始めたのを感じた。

何か言うのかな〜と思っていたら、
「今日、手繋いだじゃん。今後これから会う時は、また今日みたいに繋いでいい？」と、直球ど真ん中ストレートで訊いてきた。

こういうことを、冗談めかしてノリと勢いで突破しようとせずに、一つ一つちゃんと確認して進めようとするところがとても彼らしいなあと思って、「うん」と答えながら笑ってしまった。

「でも手に物持つの嫌なんじゃないの？」とからかい半分で尋ねると、彼は意表を突かれたように笑って「そうだけど、これは別」と答えていた。

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付き合ってくださいと言われた日から、彼から好きだとかの直接的な感情表現をされたことはないけど、彼の態度や言動にはいつも私への思いやりがあって、すごく大切にされているなあ、と日々満たされている。

ありがたいなあ、と感謝すると同時に、私も彼に同じだけのものを返せているだろうか、いや返せていないな、と昨日は1人の帰り道で申し訳ない気持ちになった。

守られるのは嫌とか思っておきながら、大事にしてもらってばっかりじゃん。

彼の優しさにあぐらをかかず、恥ずかしさの陰に隠れず、もらった分以上に私も彼を大事にしたい。大事にせねば。と思った。

恋愛ってこんなに学びが多いんですね。

つづく。

p.s.夕方以降の江ノ島の橋のムード本当にすごすぎるので手を繋ぎたいカップルみんな行ってください。自然と手を繋いでしまう魔力があそこにはあります。