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噛み合わせの問題がとても複雑な理由(1)

こんにちは!大橋しんです。アレクサンダーテクニーク教師そして理学療法士として人の体と心をふんわりさせる仕事をしています。

今回は噛み合わせの話をしたいと思います。

みなさんは噛み締め、食いしばり、歯ぎりしでお悩みではありませんか?

自分ではどうしようもない事も多いですね。

僕は最後に勤めていた整形外科クリニックで、噛み合わせの問題があると歯科医師と連携治療していて、様々なケースを経験しました。

噛み合わせって関連要素が多すぎてカオスな世界ですが、それでも奮闘するうちに傾向ぐらいは見えてきます。

そのうちのいくらかはシェアできますのでこちらに書いておきます!

僕はケースを見るだけでなく、歯科の先生のお誘いなどから噛み合わせの学会や勉強会にも参加していました。

噛み合わせの研究は色々なところで様々な視点から行われていますが、一致した見解はありません。

なんせ複雑すぎる…典型的な複雑系の世界です。

人体自体もそうなんですけどね…物理の世界では、振り子に振り子を繋げるとその動きはもう予測不可能になります。

振り子に振り子って複雑系の代表的なモデルなんですが、骨と関節の先に骨と関節がついてたら…人体が複雑な振り子同様じゃないですか。

人体の動きをピッタリ予測することができないの(のひとつ)はこういうわけなのです。

ちなみに、似たような動きを再現したり、パターン分けすることはできます。動きの分析は無駄というわけではなく、あるレベルでの情報を何に活かすかで研究の意味はあるのです。

さて、噛み合わせです。

噛み合わせの問題は噛み締めていることから歯や顎関節が削れたり変形したりして、長期間続くと様々な部位に悪影響が出てきます。

歯がそれぞれ当たっていく面や点は複雑ですし、歯に加わる力加減やタイミング、リズム、方向も様々、かかるストレス部分も出てくる症状も様々です。

噛み合わせは頭蓋骨や頚椎の歪みにも波及し、そこから様々な症状を引き起こしていきます。例えば副鼻腔の歪みで免疫系に影響が出たり、ドミノ連鎖で認知症への関与も疑われています。

噛み締めは生理作用として役割があり、犬のカミカミのような心的ストレスの緩和も推測されており、存在自体が悪ではなさそうです。ですが人はどうやらやりすぎているようです。

人によって一日累計何時間も噛み締めていたりします。これはどの程度が害になるのか?

ある研究では、上下の歯に電極を当てて一日の接触を調べると一日中に上下の歯が当たっている累計時間は数分程度だとされています。

数分?て感じですが、実は私たちは緊急時の踏ん張り除けば咀嚼と発音時程度にしか上下の歯を当てる必要はないのだそうです。

そして咬合筋は人体最強の筋肉。瞬間最大70〜100kgの力がかかっています。

それが寝ている間に数十分もかかり続けていたら…しかも寝ているときは筋力のリミッターが外れていますから推定3倍の筋力を発揮している可能性があるそうです。

ピアノより重いものを数十分持ち上げてる力でギリギリギリ…それはどこか壊れますよね。

で、そのストレスが歯や顎関節にかかり、何年もかけて変形、破壊されていきます。

噛み締めはストレス緩和に必要とは言え、一晩中噛み締めが起こっているのはやはりいただけないようです。

なんとかできないの〜?!

できることは…いくつかあります!

という事で次回は対策も含め、噛み合わせの続きを書いていきます。ではでは。






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