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ネットやオンラインゲームを通した国境を越えた交流は戦争を食い止める力になり得る


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ロシアがウクライナへの侵略を開始し、首都キエフをはじめ様々な街が戦場になってしまっている。また事故の後始末が続くチェルノブイリ原発でも戦闘が起こり、数十人の死者を出した末にロシア軍が占拠したと報じられている。

まさか今の時代に国連の常任理事国が、安保理決議の真っ最中に、隣国に堂々と攻め入るなど、多くのひとは想像していなかったのではないか。かく言う私も「まさかこのタイミングでは」と考えていたアマちゃんである。

だが、どうも今現在のプーチンは、凡人の思考では到底理解できないロジックを組み立てていたようだ。

国連どうこう以前に、戦時法すらどうでもいいようで、病院一帯をクラスター弾で攻撃するといった暴挙に出ているようだ。
こんな鬼畜の所業が出来る人間なら、そりゃ安保理決議中に戦争を仕掛けるなど容易い事なのだろう。



さて、この戦争の報道が始まるや、SNS上でウクライナ人やロシア人を友人に持つ人達が、戦火に巻き込まれようとしている友人達の声を伝え出した。それぞれ状況は様々で、仕事相手にロシア人やウクライナ人がいるというひともいれば、オンラインで外国語を教わっているというひともいる。
中でも「なるほどな」と思ったのは、「オンラインゲームの遊び仲間がメッセージをくれた」というもの。

いつも一緒にゲームで遊んでいるウクライナ人やロシア人が戦争に巻き込まれ、「ぜひ私の声を翻訳して伝えて欲しい」とメッセージを託してくれたという。

彼ら、彼女らは我々と何も変わらない平凡な人間である。いつも通りの日常があって、家族や友人との生活があって、嬉しい事も楽しい事も辛い事も普通に溢れている。そうした日常が、ある日突然壊されてしまった。

彼らは一様に「ウクライナ人が、ロシア人が、憎い訳ではない。戦争がしたい訳でも、人殺しがしたい訳でもない」と言う。

このような声は少数派ではないようで、どうもロシア兵の士気が低く、当初想定していたよりも侵攻速度が遅いという指摘もある。中には丸腰のウクライナ住人に怒鳴られて泣き出してしまう兵士もいるようだ。

これが肌の色が違うとか、宗教が違うとか、明らかに文化も言語も違うとなれば、心を殺して戦える人間も多かろうが、ロシア人とウクライナ人の違いなんて殆どない。キリスト教vsイスラム教的な頭のネジを飛ばす要素があまりにも無さ過ぎるのである。

そんな状況で「ウクライナ人を殺して来い」と言われるのだから、命令されるロシア兵だって心が壊れて当然であろう。


私がこの戦争で唯一「光が見える」と思ったのは、先に述べたようにインターネットやオンラインゲームなどを通じて、世界各国の人間が国境を越えて交流している点である。

テクノロジーの進化によって、我々はロクに言葉も通じない国の相手でも、インターネットや翻訳機能などを駆使して、意思の疎通を図る事が出来る。さらに、ゲームを一緒に遊んで「共通のルールの元に共同作業をする」といった経験を経れば、情を寄せ合う事も可能だ。

各国のeスポーツのチームが一斉に声を挙げている事からも、このジャンルにおいては「もはや国境の概念がない」という事が伝わって来るだろう。

こうした状況であるから、昔のような「鬼畜米英は人の肉を食うぞ」なんて騙しは通用しない。だからこそ、ロシア兵達はいま前線で途方に暮れているのである。

戦争という痛ましい状況を政治主張に使うといった卑劣な真似はしたくないのだが、どうしてもコレだけは言わせて欲しい。

「ゲーム脳が~」「オタクコンテンツに影響を受けたら犯罪が~」と、何でもかんでも法で規制しようなんてバカな事を言っているヤツらは、自分達が何をしようとしているのか、どれだけ時代に取り残されているのか、よくよく考えてみるべきだ。

ロシア人やウクライナ人が国境を越えて遊んでいるゲームの中にはFPSもある。FPSとは一人称視点の3Dシューティングゲーム、いわば人殺しゲームである。そういうゲームを通して、彼らは人間関係を構築し、「なぜ同じゲームで遊んでいる仲間と本当に殺し合いをしなければならないのか」と嘆いているのだ。

人殺しゲームによってプレイヤーの脳がおかしくなるというなら、彼らの慟哭はいったい何なのか。

彼らは人殺しや撃ち合いをテーマにしたゲームで遊びながら、海外のプレイヤーと友情を育めている。そして実際に命を賭けて戦場へ立たねばならない状況となって、ゲームを通じて知り合った友人達に、国籍も何も関係なく「誰も憎んでいない、戦争はしたくない」とメッセージを残している。

今の時代、オンラインゲームは、そのゲームのテーマがなんであれ、他人とのコミュニケーション手段となっている。ゲームプレイヤー達はゲームを通して同じ時間を共有し、お互いの平凡な日常に触れ合っているのだ。

そういう時代だからこそ、このような理不尽な戦争に対して、心からの「戦争反対」の声が湧いてくるのではないか。


悪いのは犯罪行為に手を染める事であって、犯罪描写のあるマンガを目にする事ではない。避けるべきは戦争そのものであって、戦争をテーマにしたゲームではない。

今回のロシアが起こした侵略戦争がどのような結末になるかまだ分からないけれども、ロシア兵の士気の低さの要因のひとつには、間違いなく「ネット文化」があるだろう。
昔からよく言われて来た「相手の顔を見ながらは殺せない」というヤツで、彼らは相手が自分達と何も変わらない人間である事を知っているのだ。

世界が好戦的な独裁者の思惑通りにならないためには、世界中の人々がお互いに尊重し合い、「○○は敵だから殺せ」といった狂った命令に抗うしかない。

インターネットやオンラインゲームは、その手助けをしてくれる非常に優秀なツールである。国籍も年齢も関係なく、心を通わせ、相互理解を深めさせてくれる、いわば平和の象徴である。世界の平和を求めるならば、何よりも大事にしなければならない存在だと言っていい。

ロシアが侵攻を開始した当初、これがキッカケで第三次世界大戦になだれ込んでしまうのではないかという考えが私の頭をよぎったが、実際には即座に両国から戦争反対の声が聞こえて来た。

ロシア国内でも強烈な反戦運動が起こっており、反戦デモで千人規模の拘束者が出るほど大きな動きになっている。

不謹慎かつ無責任な言いようである事は承知の上で申し上げるが、今回の戦争は悲劇的ではあるけれども、同時に人類に光を見い出せてもいる。

すでに大勢の罪なき人々が命を落としているのだから、こんな物言いは避けるべきなのだろうが、それでも「少しずつマシな方へ進んで行けている」と言っておきたい。

一日も早く戦争が終わること、これ以上の犠牲者が出ないことを願っている。

<本文は以上です>

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