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「正道で食えねば邪道(アウトロー)が蔓延る」新型コロナ対策失敗で新たな半グレ問題が起こる #1

「正道で食えねば邪道(アウトロー)が蔓延る」新型コロナ対策失敗で新たな半グレ問題が起こる
#1  https://note.com/oharan/n/n64261de03c09
#2 https://note.com/oharan/n/nd1861b6a00fb
#3 https://note.com/oharan/n/n534ea3d33bac

早くもアウトロー業界が活気付いている

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これまでライター・ジャーナリストとしてマトモな活動をして来たとは言えない私だけあって、ロクでもない情報だけはいち早く耳に入って来る。
そりゃ「元総会屋の爺さんの小間使いとしてジャーナリスト修行しました」なんてインチキなヤツなので、情報源の偏りは何ともしがたいところ。
一時期は自嘲100%で自ら「ITジャーナリスト」と名乗っていたほどである。ちなみにITとは「インチキ」の略である。

そんなIT(インチキ)ジャーナリストである私の元に、少し前から続々と「新たなシノギ」に関するお話が飛び込んで来るようになった。シノギとは、いわゆる新型コロナウィルス騒動に乗っかった詐欺である。
何でもヤクザや半グレ界隈の各グループが、それぞれ勝手に色々とやり始めているそうなのだ。

中には ”そっち系” を卒業して、今はカタギの商売で生活している人間から、「不良時代の後輩グループがこんな事をやろうとしている」といった愚痴半分、相談半分で連絡してくるなんてケースもあった。

やはり世の中がこうなって来ると、自然とアウトロー界隈が活気付いてしまうものなのである。

新型コロナ詐欺の具体例

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この手の詐欺話は人が求める物をご提供する……フリをするというのがお約束であるから、騒動の初めの頃は「マスクお譲りします」「特別ルートで買えます」的な話を考えた人間が多かったようだ。
ところが、マスクはどうやっても単価が低すぎ、大きな金額を得る為には「半年間毎日届く」的な大袈裟な話にするよりなく、話を組み立てている段階で「これは無理だな」という空気が流れていたらしい(何でも「マスク工場のラインごと買いませんか」「工場から直接買い付けられます」といった話にしたそうだ)。
流石にこれではいくらなんでも胡散臭すぎ、結果的に素直に転売ヤーでもやった方が儲かったという成果しか上がらなかったようだ。

また、オレオレ詐欺のネタとして「母さんオレだけど、コロナで会社が倒産しちゃった」的な話に引っ掛かったというケースもあった。
こちらは実際に報道されたものもあるので、皆さんもどこかで目にしたかもしれない。

こうしたケースとは別に、外出自粛中の高齢者を狙って、実際に「各家庭を訪問する」というパターンも多発している。中でも厚労省などが具体的に注意喚起しているのが、厚労省ほか何らかの省庁や行政を名乗ってウィルス検査を勧めるなどし、その際に口座番号や家族構成などの個人情報を引き出そうというもの。

実際に訪問するタイプの詐欺の場合、わざわざ銀行カードなどをスキャンする道具まで準備し、その場で「助成金が出るのでここにカードを通してくれ」なんて言ってくるため、独居の高齢者など非常に心配だ。
今や自粛要請のお陰で多くの ”狙いやすいカモ” が自宅にいるとバレバレになっているのだから、詐欺師連中がこの状況を見逃す訳がない。

このようなアウトローの活性化を見て、私はふと「氷河期世代と半グレ」の関係性について考えてしまった。

人気作家様の献本によってフラッシュバック

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新型コロナ騒動でなぜ「氷河期世代と半グレ」なんてテーマになったのかというと、その責任の8割は草下シンヤという作家にある。
草下氏はデビュー作が『裏のハローワーク』という衝撃的な作品で、その後に『実録ドラッグリポート』という、これまた仕上がり切った作品を発表。一躍アウトロー系ライターのトップに躍り出た男である。

現在は丸山ゴンザレスのYouTubeチャンネルを仕掛けるなど、相変わらずそっち方面で大活躍している。

ある時、その草下シンヤから「先輩!献本するんで住所教えてください!」と連絡が来たので、私は完全にオレオレ詐欺系の何かだと直感し、電話をガチャ切りしようと思ったのだが、ついうっかり独居老人のようにホイホイと住所と郵便番号を伝えてしまった。

それからしばらくして、草下氏の職場である彩図社からこのようなお届け物が。

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半グレ
大きな話題を集めた『半グレ』を文庫化。かつての裏社会の王者・暴力団が衰退する一方で、特殊詐欺などのシノギを行い、隆盛を極めつつある半グレ集団。
本作は、裏社会に精通する草下シンヤが東京の闇の世界を誰よりもリアルに描いたピカレスク小説。
心優しい青年が踏み入れた裏社会。そこで得たものは金と女とクスリ……。その代わりに失ったものは何なのか? 心を鷲掴みにする生々しい描写と展開にページをめくる手がとまらない。

この半グレという本は、草下シンヤが書き上げた渾身のフィクション小説である。それなのに、不思議と過去に発売されたどの ”ほにゃらら連合” の本よりも正確に、生々しく、彼らの実態が分かるという不思議な作品だ。

というのも、世間的には ”ほにゃらら連合” をテーマにしたフィクションで通用するのかもしれないが、同時代に近い場所にいた人間からすると、どう考えても実録物にしか読めないという、危険極まりない内容なのである。
何だったら「モデルになった実在の人物の顔が脳内に浮かぶ」というレベルであり、よくコレを出す勇気があったなと思うばかり。

実際に草下氏いわく「本当に自分をさらうかどうか相談してたみたいなんですよ。あと一歩踏み込んでたら助けられなかったと言われました」とシレっと答えてくれたので、本当にスレスレだったのだろう。

こんなはた迷惑な本が嫌がらせのように送られて来てしまったので、思い出さなくていい思い出がフラッシュバックしてしまったのである。


という訳で、相変わらずの長文になりそうな予感がしたので、ここで一度記事を切らせていただく。次回は「就職氷河期世代と半グレ」にテーマを絞って語ろうと思う。

たぶん、新型コロナ騒動が収束した頃には、新たな ”半グレ” が日本各地に誕生していると思うよ。 


(続)


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