アメリカ在住の友人が現地の情報を教えてくれたのでシェア

アメリカの状況が分からな過ぎ問題

日本で安穏と暮らしていると、アメリカで起きている黒人差別問題・デモ・ANTIFA……といった最前線の状況が全く分からない。
日本に流れて来ている報道もあるけれども、それを読んだところで「なんでそうなるの?」という内容が多く、状況が掴めないのだ。

例えばこのルイヴィトンの黒人デザイナーが、何故か謝罪させられているなんてニュース。これなど友人の店が襲われて暴動を非難したという話なのに、どうして彼が謝罪させられるハメになったのだろう。

私はこれを、アメリカにもヒステリックなネトウヨとかしばき隊みたいなネットリンチ大好きな連中がいて、そいつらに狙われた可哀想な人なんだろうなと納得していた。

……ところが。

アメリカ在住の友人が色々と教えてくれた

発言者が誰がバレると可哀想な事になるかもしれないので伏せるが、私には何だかんだ付き合いの古いアメリカ在住(永住権持ち)の友人がいる。

その人物に、今アメリカで起こっている事の中で、特に理解し難い部分をあれこれ聞いてみた。

結果、アホで無知な私にも非常に分かりやすかったので、折角なのでnoteでシェアさせていただこうと思う。私の友人でアメリカに住んでてカード持ってるなんて言うと誰かバレバレだけど、本人に火の粉が行くのは申し訳ないので、その辺りはスルー希望。

また、解説の内容については当人が感じた事や、見聞きした事でしかないので、これが100%正しいとも言い切れない事を予めご了承ください。
ただ、日本にいて、流れて来る報道を見てるだけよりかは、よっぽど現地のこんがらがった状況が伝わると思います。

※ 詳しい人からしたら「何周遅れだよw」という内容だと思うので、私のような国外の情報に疎い方向けの記事だとお考えください。

アメリカの黒人差別の実情について

そもそもの話になるんだけど、アメリカの黒人差別の現状を知りたい。日本からだとフィルターのかかった情報しか得られていない気がするの。何でこんなに事態が悪化してるの?

日本にいるとこちらの状況が全然分からないと思うので、長くなるからいくつかの項目に分けて答えます。

まずは、アメリカの黒人の刑務所システム(服役のループ)や、貧困黒人が罪もなく犯罪者にされてしまう状況をご存知ですか?

今回の件は、殺された黒人だけじゃなくて、黒人として生まれたら、誰でもありうることで、私の友達だって何人も無実なのに撃たれたり、逮捕された子もいます。

例えば、黒人の女の子が白人の引ったくりに会い、警察を呼んだとします。
そしたら、警察は来て何も事情を聞かないで、黒人が加害者だと決め付けて、引ったくり被害に遭っただけの黒人を逮捕する。
その時に抵抗したり抗議したりすると、今回みたいに殺されたりするから、黒人はこの不当逮捕・誤認逮捕を大人しく受け入れて、されるがままにならないといけないの。

でも、1度逮捕されたら、黒人は一生を棒にふります。
例えば、裁判で無実は証明出来ても、ほとんどの黒人は保釈金を支払う経済力が無いから、裁判が終わるまでは刑務所に入れられます。

さらに、裁判するのに多額の費用がかかりますが、裁判後にそれを払えなくて、裁判費用が払えない罰で刑務所に逆戻りする。これがエンドレスでループしてしまう可能性まであるの。

つまり、黒人は全くの無実でも、この悪夢みたいな刑務所ループに巻き込まれやすいし、1度でも巻きこまれたら一生が台無しになります。

アメリカの警察官について

でも、アメリカでは黒人差別は悪い事だという声が大きいんでしょう?
かなり人種差別に厳しいイメージがあるけれど、警察自体が差別を止めない感じなの?

警察が誤解して、黒人が無実なのに逮捕するとなった時に、何故無実を主張しないのか、日本人なら疑問に思いますよね。
でも、そんな警察は珍しくなく、当たり前にいます。

とある白人女子がある件で捕まり、警官に手を上げろと言われました。
白人女子は「アメリカの警察は無実でも殺すから嫌だ。動いたら撃つんだろ?」と言いました。すると警察は「心配するなよ!俺ら警察は黒人しか殺さない」と言いました。

こういう話が普通に転がっているのがアメリカです。

でも警察官の全てがこうではなくて、中には黒人にもアジア人にも普通に対応してくれる人もいるんだけど、日本と違って簡単に銃を撃つから、悲劇的な事件が起きやすいの。


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例えば、いまTwitterやインスタでこの女性が話題になっているんだけど、この子は生きていたらお誕生日だったの。
でも、ある日突然警察にドラッグの売人だと誤解されて、問答無用で8発も拳銃の弾を撃ち込まれて亡くなりました。

一部の警察官が黒人の命を軽く扱うから、定期的にこういう悲しい話が起きてしまうの。

ちなみに、こうやって黒人を誤って殺した警察官って過去に何人もいるけど、彼らがクビになったとか、刑務所に送られたという話はそれほど聞きません。
おそらく、そういう酷い人殺しをしておいて、普通に警察官を続けてお給料を貰っている人間が何人もいるはず。

アメリカは刑務所の多くが民営

あと、これも日本人に分からない話だと思うけど、アメリカって民営の刑務所が多いんです。国が管理している訳じゃないから、お金儲けをしようと思えばいくらでも出来るのね。
だから、白人の刑務所オーナーは、黒人をジャンジャン捕まえて送り込んで貰えれば、それだけ自分が潤うの。

刑期をなるべく長く延ばして、囚人を常にいっぱいにしておけば、それだけ補助金が貰えるし、刑務所内のお仕事ってあるじゃない?
アレもとても安い賃金で、殆どタダ働きみたいな状況で囚人をこき使えば、簡単にビジネスが出来てしまうの。

そういう事もあって犯罪者が大勢欲しくて、白人至上主義の人間からしたら、それは黒人であればなおいいって感じだと思う。

大規模デモへの流れについて

あまりに日本からは想像も出来ない話なんだけど、そんな無茶苦茶な状態なら反対の声も大きくなるでしょう?

もう2020年ですから、そんな考えの白人ばかりでは無く、普通に差別はダメ!って思っている白人も大勢います。
それに、ずっと虐げられていた黒人達も、常に差別を止めるように声を挙げ続けていました。

そんな中で、例の警官が黒人を窒息死させた事件が起きて、それがキッカケになって、今まで抗議に参加していなかった人達までも立ち上がりました。

プロテスト……日本で言う抗議デモは、アメリカでは日本よりもカジュアルだし、普通の事としてみんなが参加します。人種差別反対だったり、セックスワーカーへの差別反対だったり、テーマはその時によって色々です。

プロテストをする事は、日本だと「左翼?右翼?怖い人達?」みたいに遠い世界だと思う人が多いかもしれないけど、アメリカでは当然の権利として皆が参加してます。私や、私のお友達達も。

何日に何処で何時からと、きちんと許可を取ってやるので、若者もカジュアルにネットで調べて気軽に参加できます。
その人達をプロテスターと呼び、マナーを守って権利を主張するだけなので、本来は全く危なくないの。

しかし、今回のプロテストは警察に対してだった事や、多分コロナとかも重なり、警察も無理矢理止める事にしました。
それにより、法律で認められた権利であるプロテストを止められた事に、多くの市民はブチ切れ。

プロテストって、普通に禁止には出来ないんです。法律で認められてるから開催の許可まではされる。

でも、警察はプロテストで集まって来た人をラバー銃で撃ったり、パトカーで隊列に突っ込んだりし始めました。私の友達も何人も撃たれたり逮捕されたりしました。悪い事は何もしていなくて、法律で認められたプロテストに参加しただけなのに。

デモが暴動と化す

そんな状況の中で、ルーター達が登場しました。ルーターとは、強奪や乱暴な方法でプロテストに参加する人です。
ルーターにも2通りあり、乱暴だけれど本気で差別に怒っている人と、騒ぎに乗っかって強盗や乱暴な事をしたいだけの人がいます。

彼らが暴力的に暴れ回るようになって、差別に無関係なお店や街が壊されたり、放火されたり、物が盗まれるようになり、単なるプロテストではなくなってしまいました。

それらに対抗するために、国も普段のプロテストを邪魔してるような警察官ではなく、軍隊のような重装備の人達を用意して、まるで戦争みたいになってしまったんです。

なぜルイヴィトンの黒人デザイナーが謝罪させられたの?

あと、これは個人的に納得行かなくてモヤモヤしていたんだけど、ルイヴィトンの黒人デザイナーが、何故か被害者の立場のはずなのに謝罪されられたでしょう。あれは何でなの?
暴動・略奪をしている連中に、友人の店が破壊されたっていう説明があったけど、だったら抗議して当然じゃないか?

大勢の国民が良い方法、悪い方法問わず立ち上がっている中で、有名人やお金持ち達も自分の考えや行動を明らかにしています。

で、黒人としてミリオネアの成功を収めた男、ヴァージル・アブロー。彼ほどの成功者ならば、多額の寄付をして「ルーターからは何も始まらない!」と、平和的・合法的なプロテストを応援する立場になってくれれば良かったのですが、実際に彼がやった事に問題がありました。

彼がした行動は、まず寄付はたった$50でした。
そして、人種差別をしている白人みたいな行動を幾つもしたんです。法的には悪い事はしていないかもしれないけど、人道的にどうなのっていう。

そもそも、彼は元からあまり褒められるような行いをしない人として有名だったの。

例えば、白人のレベルの低いデザイナー(でも家柄は良い)が、彼にデザインを見て欲しいと持って来たら、褒め称えコネクションや仕事をあげる。
反対に、黒人の凄い実力あるデザイナーが彼にデザインを持ち込んだら、黒人だからと門前払い。

こんな感じで、普段から人種差別をしている白人に寝返る様な感じの行動をしまくる人だったんですね。
それが、今回のデモ批判がキッカケで火が付いて、過去の事まで含めて叩かれるようになり、謝罪させられるようになりました。

アメリカで次々と立ち上がる支援団体

それとね、ここまでの私の話の裏付けになると思うんだけど、いま簡単に調べてみたら、アメリカにはこういう団体がたくさん出来ているの。

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こういう支援団体があちこちにあるっていう事は、それが必要になるような差別や暴力があるって事じゃない。
特に、警察の暴走というか、警察が意味もなく黒人を殺している状況があるっていう証明になると思うの。

日本にいるとこういう黒人が置かれた状況が正確には分からないと思うんだけど、今でもアメリカって黒人として生まれると、ある日いきなり刑務所に入れられたり、警察官に殺されたりするの。

アメリカって日本に比べて表現に厳しいイメージがあるでしょ。言葉や映像・画像とか、すぐに差別的と言われて潰されちゃう。
でも、こういう状況だから、そういう乱暴なやり方が必要なんだと思う。


と、無知な私の質問に丁寧に答えてくれた友人なのですが、ここから先はショッキングな画像があったり、友人の身バレをしてしまいそうな内容が出て来るので、申し訳ありませんが以下は有料枠とさせていただきます。

話の大筋は上の部分だけで伝わると思うので、ここから先は興味のある方のみご覧ください。


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