池袋にあった裏稼業のダーマ神殿

前回の記事で友人の草下シンヤ原作の『ハスリンボーイ』を紹介したが、お陰で思い出さなくていいものを色々と思い出してしまった。

例えば、約20年前にとある大っぴらに売れない(宣伝できない)物を売らねばならなくなり、足が付かない方法を必死で考えた結果、池袋西口のマンガ喫茶で作業して、客とのやり取りは池袋北口のコンビニのFAXや、当時はまだ入手が簡単だった悪さ用の携帯を組み合わせてたなあとか……時効ってシステムは本当に素晴らしい。

あとハスリンボーイと絡めて言うと、あのマンガに出て来るヤクザが商談に使う池袋駅前の喫茶店というのは実在してて、北口から出れば嫌でも分かるはず。24時間営業のとても有名なお店である。
で、その近くにもう一軒アウトローが妙に集まる喫茶店があって、それはロサ会館付近にある。
私はこの2カ所を何故か使い分けていて、任侠系の方や右翼なんかと会う場合は北口の目の前の店を、同世代の若者(不良)がやってた広告代理店や出会い系業者みたいな連中と会う時はロサ会館の方を使っていた。
どうしてこんな使い分けをしていたのか自分でも分からないのだが、いつしか自然とそうするようになっていたので、何かしら理由はあったのだろう。

他にも、何か集まりごとがあるとしょっちゅう使っていた中華屋の社長が、実は池袋一帯の華僑の大物だったとか、池袋という街には色々な思い出が詰まっている。

さて、そんな思い出話はともかくとして、本日の本題は池袋の24時間サウナである。ハスリンボーイにも重要な舞台として登場したが、草下君いわくアレのモデルになった店は池袋ではなく別の場所らしい。
だが、私は作中に出て来たサウナとそっくりな使われ方をしていた場所を知っている。今はもう閉店してしまったのだが、池袋の要町交差点からすぐ近い場所に、まさにああいうサウナが実在したのだ。

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