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運転手が号泣している


自分が運転する車に乗るまで

CDをわざわざ買ってまで

音楽を聴く習慣がなかった。


もちろん

全くなかったわけではなかったが、

同世代の中で、

アーティストにお金を払った金額は

かなり少ないと思う。

これは私にとっては全然誇らしいことではない。

自分のエネルギーを注いで

応援したいアーティストの存在に

無自覚だったというのは、

今の自分が思い描く

人生の豊かさにおいては、

少しさみしいことでもあると、

今は思う。

というわけで、

最近はこれは何回聴いても

気持ちがよい、

と思える曲を

複数、発表しているアーティストのCDは

サクッと手に入れるようにしている。

私は保守的な人間なので、

一回買ったらものすごい聴く。

多分元を取るという意味では、

全く問題ない。

ガムを噛みまくって味がなくなってとうとう飲み込んでしまうくらい、

自然に元を取ってしまう。

(ちなみに私は噛んだガムはちゃんと出す)


狂ったように聴いてる、というのは

本当にそうだと思う。

「お母さんはまたこれか…」

と子どもたちも感じているに違いない。


そんなわけで、

最近聴いているのは

ミセスグリーンアップルというバンドの

4つ目のアルバム

「attitude」(アティチュード)である。

バンドメンバー全員20代だが、

40歳の経産婦に音楽がささりまくる。

音楽に年齢はない。

本当にそう思う。

ミセスグリーンアップル、

今は音楽活動休憩中のようだが、

3人中2人(桜井氏と高見沢氏)が埼玉出身の

THE ALFEEのように永遠に仲良く頑張ってほしい。


このアルバムというのは、

YouTubeで無料配信していない曲も多数あり、

また、曲の並びもよく考えられていて、

ドライブして通しで聴いていると、

同じ曲でもより良く聴こえたりする。

保守的な人間なので、

知らない曲があると

「あんまり好きになれなかったらどうしよう」

と、若干コワイのだが、

ハンドルから手が離せないで、

流れで聴いていると、

その知らない曲の言葉やメロディが心にささってくる。

なんか泣けてくる。

少し情緒不安定な時期は尚更だ。

目にじわじわ涙がたまる。

(あんまり泣くと前方不注意で危険である)

なんだこのCD、

全曲いいし、

泣けるじゃないか…

と全く予想してない感動が待ってたりする。


いや、更に

そのドライブの目的地では私の車に同乗すべく、

友人が待っていた。

私なんで泣いてんだろ、

恥ずかしいなと思ったけど、

時間もあるのでそのまま行った。


私の友だちは

愉快な時間を過ごすべく待っていて

停止した車のドアを開けたら、

一体全体、

運転手が両目から涙を流して泣いている。


びっくりドン引き


することなく、


優しい友は、

「あー、私もそういうことあるあるある!」

と共感してくれた。

私の周りは本当に優しい人ばっかりだな。


鼻からサンドイッチを噴き出す笑い上戸で、

人を迎えに行った車で号泣している泣き上戸。

周りにはいつも優しい人がフォローしてくれてる。

ありがたいことだ。


泣きたいときに、

涙を流すのは、

自然だし、感情を流してくれる。

そんなことが出来るものを作り出せるのは 

すごい。


たとえば、つらい別れのとき、

すがるように聴ける音楽が自分のそばに

あることで、

どれだけ心が支えられるか。


音楽には、

歌には、

響きには、

力がある。


音楽は、

人間が人間として生きるために必要なものだ。


私も、ずっと、

音楽に触れて生きよう。

そんな風に思える

一枚のCDアルバムだった。

























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