美しさよりも可愛さよりも
面白い毎日を。
女性として生まれてきて、「お前、面白い女だな」は一番望まない定評だと少女漫画は言っている。
僕は女らしさが嫌いであった。
しかし好きであった。
ジェンダーの問題は性別のヒエラルギーが起源なのでは?
それも僕の偏見であるが、個人的に確信めいたことを言いたくなる時が往々にしてある。
僕は身だしなみに無頓着なところがある。
脳みそのメモリが狭いことから人よりめんどくさがりな性分ができあがり、
省エネ対策として「僕は女らしく身だしなみを整えたりせずとも生きていられる鈍感さがある」と次第にインプットされた。
予てからの衛生観念の問題に取り組むことも念頭に置き、私は地元のとあるアパレル業界で働くこととなった。
化粧の毎日だ。
前髪が決まらない。
コンタクトレンズを入れることは少し慣れた。
店内の至る所に鏡があり、そこに自身が映った時、ハッとする。
「眉間のファンデが落ちてムラになっている!!!!!」
いつ自分の顔を擦ってしまったのだろうか・・・
今後は気を付けねば。
スマホでとある記事を見ていた。
「笑顔は礼儀」・・・・・だと!?
そんなこと初めて知った。天変地異。常識が覆った。
このようなモラル人からすれば僕は、ずっと無礼な奴だと思われていたのかもしれない。
僕のあられもないぶすっとした顔は●●だったのかもしれない。
しかし。しかしだよ。
じゃあなぜぶすっとお鼻潰しをしたブルドッグを人々は購入するのだ?
犬は真顔でも可愛いのなら、人間も同様に思われたって構わないはずだ。
努力の痕跡・コンシーラーで隠したニキビ跡。
それは『優しさレタッチ♡』で隠してあげましょう。
努力・・・・
ニキビは体質でもあり、手の行き届かなかった健康管理でもあり、
それを隠そうと人間という生物は日々「努力」しているのだな・・・。
『優しさレタッチ♡』のスキルを手に入れた僕は
人間たちのちょっとした粗をカバーして
なんとなく爽やかに過ごせることを願っていこう・・・
僕自身の粗も誰かレタッチしてください
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