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【テイクアウト×輸入食材販売】のハイブリッド業態でお客さんの心を掴んだイタリアンレストランの4つのポイント

このコロナの状況にも、様々な工夫をして対応しているお店が増えてきましたね。
犬の散歩をしていたら、ご近所のレストラン、メリ プリンチペッサさんがとても良い感じに変身されていました。

オープンなお店の作りを活かして客席を物販スペースに

メリ プリンチペッサさんはピザやパスタ主体のイタリアンレストラン。駅から5分くらいの立地。
すでにテイクアウトやデリバリーは実施されていたようですが、客席を思い切って物販エリアに転換。輸入食材を主体とした食物販のコンビネーションで営業をされていました。(輸入食材だけじゃないのですが、割合がおおめだったのでわかりやすく輸入食材と書いてます)

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ちょうど輸入食品で有名な「カルディ」のラインナップをイタリアン系に絞って、さらに生鮮野菜と手作りお惣菜が加わったような感じです。

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商品自体が普通のスーパーにはない、高めの金額設定のラインナップですが、店内には常時5-10人程度お客さんが入れ代わり立ち代わりやってきていて、繁盛していました。スタッフさんも3,4名いらっしゃいましたので、やはり売れているのでしょう。

こちらの事例から、とてもうまいなーと思ったポイントを4つ抽出しました。


①小規模店舗であることを逆手に取れている

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⇒大規模スーパーは人が多くて三密空間。必要だから行くけどなるべくさっと済ませたいという心理状態が常にある。一方人数が少小規模店舗はリスク低いので行きやすい。

②マンネリした食卓に変化をつけられる「プチ贅沢需要」を取り込んでる

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⇒スーパーで買うものに流石に飽きてきてるところに、食卓に変化をつけられるプチ贅沢食料品が受けている。外食もできないし、テイクアウトもちょっと面倒と思う人は、スーパーにも無いラインアップの変化が楽しめる食料品がとても嬉しい。

③テイクアウトが「わざわざ」から「ついで買い」に

※中でつながってますが、左側がテイクアウトのメニューが出てます。ちょうどウーバー宅配のかたも来てました。

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⇒目に入ってきた楽しげな食料品。気づけば横に美味しそうなテイクアウトピザもある!買い物してる間「ついでに」注文しちゃおうかなとかいう心理に。逆に、テイクアウトに来たお客さんの「ついで買い」という双方向のクロスセルができる。

そして、食物販だと「ふらっと入って買わずに出る」という選択肢が取りやすい。なので、「入ったら買わない」「じっと見ていたら買わないといけない」といけないプレッシャーにさらされずに済むのは顧客心理としては気が楽ですよね。

売上を伸ばせるテイクアウトに「わざわざ」来てもらうのではなくて「ついでに」買ってもらうことは大きい。
テイクアウトはまだ何を売ってるのかわからない状態で立ち止まって吟味するのがもう1つのハードルになってますが、買い物してるついでにおいてあったテイクアウトのメニューの写真入りのチラシは大いに「プレゼンテーション力」があって「今度買おう」という気持ちにさせられました。

④非日常感の演出

⇒それ店内BGMの高揚感や店内装飾、ポップにそそるメッセージが丁寧に書かれてるなど、「イベント感」がでてるので買いたくなっちゃう。楽しいことがすくない自粛生活に、少なくとも心踊る時間になりました。
単純に商品と値札ではなくて、手書きポップがあるのも心がこもっているので見ていて気持ちいいです。私も買っちゃいました。
単純に商品と値札ではなくて、手書きポップがあるのも心がこもっているので見ていて気持ちいいです。私も買っちゃいました。

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売上や利益率についての裏取りは出来てませんが、普通の店内オーダー・テイクアウトだけ構えているよりは効果が出ていそうなのは一目瞭然でした。

メリ プリンチペッサさんは、オープンテラス化できるお店の設計が大いに生きていることはかなり追い風ですが、他のレストランさんでもかなり参考になるのではないでしょうか。

もちろん、食物販は利益率がテイクアウトほど大きくないと思いますので、仕入価格をどれだけ抑えられるかというのがポイントになります。
ただ、すくなくとも「テイクアウトの誘い込み」が食物販をきっかけにした「ついで」買いへと、お客さんの行動を変化させることができるはずです。

今後もこんな事例、どんどん取り上げていきます!


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