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姉ちゃんと、喫茶店と、プンプンと、働きアリの話。

少し前になるが、髪を切った。

アマゾンプライムで最近観たドラマ「僕の姉ちゃん」に出てくる、主人公役の黒木華ちゃんが素敵すぎたのだ。
あんな風に生きたいと思っていたら同じ髪型をオーダーしていた。

同じ髪型になれたところで、性格や振る舞いが突然変わることは、ない。
相変わらず、私は余裕が無い。
視野は狭いが、周りの目を気にしてしまう小心者だ。
世の中の人々をよく観察し、自分なりの大切なルールに乗っ取って自由に身を泳がせる彼女には程遠い。

ただ、彼女のように自分を褒め、ちゃんとご褒美を与え、愛しながら生きることへは一歩近づけたような気がする。
自分の好きを選び、身に纏って生活することのときめきは、偉大なのだ。
とても気に入っているので、今は頭も気分も軽い。

初めてnoteの記事を書いてから二ヶ月経ってしまった。
もうすぐ来年になろうとしている。
前回は、ドキドキや忘れたくない感動を文章として残せたことに安心し、とてもスッキリした。
私は大切なこともいつのまにか忘れてしまうし、自分のことを上手く人に話せない。
話さないし表に出さないから忘れてしまうのかもしれない。
Twitterや日記にすら書かず、燻って消えた気持ちが山ほどある。
今回は宝物のような気持ちを、ちゃんと残せて良かった。

そして何より、大好きなこだまさん本人に届いたことが嬉しかった。
私の気持ちが伝わって、こだまさんも喜んでくれていて、リプを見て心の中で「届いたー!!!」と叫んだ。
気持ちが伝わることがこんなに嬉しいと思ったのはいつぶりだろう。
書いて良かったと心から思った。

この二ヶ月の間に、何冊か本を読み、映画を観た。
もはや日課となる日替わりポッドキャストは、家事や風呂のお供に欠かせない栄養源だ。
本の感想をいくつか残したい。



・僕のマリさん「常識のない喫茶店」


目から鱗が止まらなかった。
日々理不尽な人々と勇敢に戦う彼女達が教えてくれたことこそが常識であってほしいと心から願った。
多くの人が訪れ、とにかくスピーディーな対応が求められる仕事をしていると、いつのまにか自分の大切な部分が擦り減っていくような感覚になることがある。
マリさんは、たとえ仕事でもそこは人に削られてはいけない、守るべきものだよと伝えてくれた。
いつもの仕事中、喫茶店で働く彼女たちを思い出すと、自分も少し心を強くしてもらったような気がする。



・漫画「おやすみプンプン」

毎晩鬱になりながらも読んだ。
メンタルの弱い私にはトラウマレベルで闇に引き摺り込んでくる内容だった。
毎度自分の中の同じところをぐるぐると彷徨う主人公プンプンは、私みたいだなと思った。
浅野いにお先生の圧倒的な表現力、恐ろしかった。
特にヒロイン愛子の表情はエグかった。
それだけでも一見の価値はある。
どこにも辿り着けないような息苦しさや閉塞感が伝わり、最終巻近くは1ページ1ページが重かった。
それでも最後まで読むと、愛おしくて大切にしたい、大好きな作品にもなった。
ラストまで心が晴れることはないのに、不思議だ。
モヤモヤとした曇り空や飲み込まれそうな夜の闇を抱えたまま生きていくところに、リアルを感じた。



・爪切男さん「働きアリに花束を」


最高すぎた。
爪さんはいつも泣かせて笑わせて元気をくれる。
一見不要とすら思える程の経験の豊富さと、彼の突き抜けた人柄が相まって、この本はどこにもない労働の教科書になっている。
仕事の内容よりも仕事に向かう姿勢の重要さを、親子三代に渡って教えてくれている。
どんな仕事にも、どんな出会いにも、得るものはあるんだなと感じた。
どうせならそういう視点で楽しみたい。
そんな生き方を教えてくれた彼は、今日も全裸で原稿に向かっているのだろうか。

ずっと前から下書きに入っていたので、いい加減出そうと思って、クリスマスとは全く関係ない記事になった。
今日も子ども達は元気で、ホームアローンを観てゲラゲラ笑い、「さそり座の女」をアレクサで再生しながらモグライダーの漫才を練習していた。
寝る前にオリオン座を見つけて教えてくれた。
始まったばかりの冬休みを大切にしていきたい。

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