見出し画像

デザイン未経験学生の、ポートフォリオを作り続けることで得られた実践知

こんにちは、
大学院で感性工学分野で研究しつつ、事業会社でプロダクトデザイナーインターンをしているohaです✌️

前回は、デザイナー就活のざっくりとした流れをお話しさせていただきましたが、今回はポートフォリオの変遷と、作り続けて得られた学びをお話しできればと思います。

学部でも大学院でもグラフィックやUIUXをゴリゴリに研究しているわけではないので、表層のデザインコンプレックスがひどい私ですが、恥をしのんで学びをオープンにしていきたいと思います。

私の屍を超えてゆけ(?)。


自己紹介:私のバックグランド

私は現在、京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻の修士2年です。「デザイン学専攻」と名はついていますが、研究室は「色彩・感性工学」で、デザインをゴリゴリ学べるような環境ではありません。また、学部ではメディア学を学んでいました。

小さい頃から作ることが好きで、高校生の時はフリーペーパーを使った地域おこしのプロジェクトをしていたこともあり、プロダクトを起点に人の関係性が豊かになること、知ることによって人の可能性が広がったりすることに関心を持っていました。

学部時代は場づくりやファシリテーション、コミュニティマネジメントを学外で学びつつ、ビズ職で1年半インターンにのめり込み、デザイナーとして就活することを諦めていました。

しかし、院進をきっかけにデザイナーになる覚悟を決め、ポートフォリオを作り始めたのでした。


ざっくりとした就活スケジュールはこちらで紹介しています。


ポートフォリオ遍歴

5 とりあえず作ったものをまとめる
6-8 作品制作
9 作品制作・UIDA参加
10 ポートフォリオVer. 1
 11 フィードバックもらいながら、ポートフォリオVer. 2
12 作品制作スプリント
1 ポートフォリオVer. 3


全体のスケジュールと照らし合わせると、こんな感じです。
(▶︎:ポートフォリオの制作)

1/ 解像度を上げる
5月 就活を知る・全体スケジュールの設計・説明会に参加
▶︎作ったものまとめる
6月 Meetyでデザイナーに会いまくる、作品制作
▶︎〜8月まで作品制作
7月 サマーインターンに応募(惨敗)
8月 UIDAに参加
9月 ポートフォリオ制作

2/ 自己イメージと周囲からのイメージのギャップをすり合わせつつ、企業研究
10月 UXデザイナーインターンに参加・デザインコンサルでインターン
▶︎ポートフォリオVer. 1
11月 ポートフォリオ制作・作品制作
▶︎フィードバックもらいながら、ポートフォリオVer. 2
12月 ポートフォリオ制作・作品制作
▶︎作品制作スプリント

3/ 武器を見つけ、戦い方を知る
1月 ポートフォリオ制作・選考を受け始める
▶︎ポートフォリオVer. 3
2月 書類数社に出す・面接受ける・事業会社でインターン
https://note.com/oha_/n/n798ae86e34a3


最初期:作ったものをまとめただけのポートフォリオ

ReDesigner for StudentさんのYouTubeをみながら、とりあえず作品をまとめていきました。

学部の頃に、完全に趣味で作ったスケッチノートや、インターンで制作した作品たちをまとめました。
最初の頃のそのままが載っています。恥ずかしい、、、。

その後、作品を増やすためにUIチャレンジに取り組んでいましたが、一日一個といえど時間がかかりすぎるので、チャレンジは続きませんでしたね、、。


最初の方の作品制作

そうはいっても、ゴリゴリの美大じゃないゆえに自分で作らないと作品は増えないので、Goodpatchさんの新卒研修記事を見てリデザインに取り組んでみたり、これまで取り組んできたスケッチノートやインターンでの作品をPowerPointでまとめたりして、ReDesigner for Studentに掲載していました。

この頃は、ReDesigner for Studentのポートフォリオの作り方イベントで紹介されていたうえだりさんのポートフォリオを参考にさせていただいていました。

また、過去の短期のデザイナーインターンのレポートを見て、実践していました。ひらおほのかさんのポートフォリオは、丁寧にプロセスが掲載されていてわかりやすいので、そのプロセスに乗っかって自主制作を進めていました。

作品制作のためにユーザーインタビューを実施してまとめる

ReDesigner for Studentさんではコンペを実施しているので、そのコンペに参加してとりあえず作る経験を増やしていくことを意識していました。

サマーインターンはReDesigner for Studentさんに掲載した作品たちで応募し、惨敗を喫しましたが、UIDAで拾っていただけました、、、。


そういえば、ちゃんとデザインしたポートフォリオを制作するまでの間でnotionを使うこともありましたが、私が表現したいこととは合致しなかったので、ポートフォリオとしては使うのをやめました、、、。



ポートフォリオ Ver.1

きちんとデザインしてまとめた初めてのポートフォリオは、主にInDesignを使って作成しました。

この頃はViViViTさんの「はたらくビビビット」の「ポートフォリオ百科」を参考にしつつ、構成を組んでいました。

このポートフォリオはインターンの中でお会いしたデザイナーさんと、Meetyでお会いしたデザイナーさんにフィードバックをいただくことができました。

改善すべき点
・「目指すべきところ」がよくわからない
べん図を使って表現しましたが、確かによくわからない、、、。それっぽいから使ってみるはNGで、一つ一つ言語化し、それをビジュアライズしていく必要があります。

・構成に一貫性が感じられない
サービスのLPをみながら製作したせいか、サービス紹介のようになってしまた。なおかつ、構成の一環性も見えない結果に。また、「自分がわかっているから」こそ、無意識に省略してしまっていた部分がありました。構成の一貫性を保つためにも、各作品で同じ章立てをすることで、統一性を持たせる必要があると感じました。

・「もっと明るい人柄なのに、このポートフォリオだと真面目そう」に見える
「ポートフォリオで想像していたより明るいね!」とフィードバックをいただいたことにより、ポートフォリオと自分像のずれに気づきました。コンセプトはフィードバックをもらいつつ、すり合わせていくことに決めました。



ポートフォリオ Ver.2

とりあえずコンセプトを固めなければいけない…!と気づき、「真面目そうな人柄」の印象だった前回ポートフォリオから、明るく探究心があるコンセプトに転換していきました。

とりあえずコンセプトを決めるために制作しし、フィードバックをもらって、コンセプトを固めることを目的にクイックに作っていきました。

⭕️改善した点
・世界観をしっかり作る
・やりたいことを丁寧に言語化する

改善すべき点
・世界観は面白いけど、バックグラウンド的にもうちょっと硬めの方がいい
・経歴から目指したい場所に一貫してつなげるのは良さそう
探究心を表現するために、冒険要素を取り入れて作成しましたが、「バックグラウンド的に、もうちょっと硬めのイメージ」と、フィードバックをいただいたため、ビジュアルではファンタジー要素を入れずに人柄を伝える方針に転換しました。


ポートフォリオ制作後期の作品製作

作品数やその種類は受ける企業によって変わってくると思いますが、それまでの作品として、女性をターゲットにした作品が多かったので、男性をターゲットにした作品を考えたいなと思っていました。

製作は5日間程度で、集中して作品を作りきる!と決めて取り組み、なんとか年末年始の休暇を使って作り切りました。

プロセスは、前回と同様に、ひらおさんのポートフォリオを参考に作っていました。

私はnotion にガーっとプロセスを書き出してそこを埋めていく形式で制作するスタイルでした




ポートフォリオ Ver.3

1月ごろに製作したポートフォリオで、これで書類選考を受けていました。

「自分らしさ」を表現していくという意味で、マネーフォワードさんの新卒デザイナーの方のnoteを参考にさせていただきました。

今見てみると、デザインの4つの原則が守られていないあたりが気になりますね、、、。

フィードバックの中に、「扉絵がよくある感じでグラフィックデザインが苦手なのがわかる」といただいたので、ちょっとでも頑張ろうと思ってブラッシュアップしたのが以下です。

⭕️改善した点
・コンセプトを固められた
硬さはありつつ自己主張をする、という意味で、「好きなもの」の項目を入れたり、イラストで柔らかさを出したりすることで、バランスを取ることができました。
・やりたいことと自分の強みがつながっていく構成にした
前回のnoteでも書いたように、デザイナーさんや企業さんとお話しさせていただく中で、これまでの経歴について質問をいただくことが多かったので、これまでとこれからの目指すところがどんな一貫性を持っているのか、表現するようにしました。


最後に

ポートフォリオを制作する中で、意識していたことをまとめてみました。

・ポートフォリオで何を伝えたいのか?をまず考える
ポートフォリオは、企業へのメッセージであり、自分の顔です。企業が違えば、伝えることも変わってきます。私の例で考えると、「企画の設計からリサーチ、UIのデザインまで幅広く関わりたい」「これまで体験設計に多く関わってきたが、これからは表層のデザインもやってみたい」などなど。自分自身のやりたいこと、それを伝える企業に、どんなメッセージを、どんな自分で伝えたいのか、考えてみると、齟齬が生まれにくいかなと思いました。

・読む相手の視点に立って、読み返す
「採用担当の方は忙しい」の前提を持って、私の場合は「そもそも何がやりたいのか」「新卒でどこを目指すのか」を伝えるようにしていました。「採用担当者の方が何を知りたいのか?」も企業さんによって違うと思いますが、その点を踏まえてデザインすると、より伝わりやすくなる気がします。いま自分のポートフォリオを読み返すと、「PCで見るんだったら横開き見づらくね?」「ページ横断するの辛くない?」など出てきます、、、。反省。

・色んな人の力に頼って自分のモチベーションを上げていく
どう頑張ってもダサいポートフォリオ・作品しか制作できなくて辛い🥺」?
→めちゃわかります。
「書類の締め切りに余裕を持って、今から行動したいのにできない」?
→本当にそうなんですよね。
自分だけでモチベーションを上げていくのはつらいので、周りの人の力に頼っていきましょう。フィードバックをもらうときに、「次は〇〇日に修正してきます!」と言い切ってしまうことで、守らなきゃいけない約束のために必死になれる効果を活用したり、友達ともくもく会をしたり。一人で戦うのはつらいが、周囲の人の協力でちょっとは強くなれる、はず。

あんまり構成の話はしていなかったので、お詫びに参考にしていたnoteやサイトのURLを貼ります。

自分が何を伝えたいのかを考えつつ、先人たちの知恵を取り入れながら戦っていきましょう。


最後の最後に:実践知はその人だけの宝になる

フィードバックをいただくことは、何にも変え難い知識であり、財産です。自分で考えて、作ったからこそ、得られる学びがある。広がる世界がある。

「ダメダメだぜ、、、」と感じてつらい日も、いつか振り返ったときに、笑い飛ばせる日々になっているはず、、、。そんな日のために、私も汗水垂らして考え、制作し続けます。



おまけ;なぜ私は学部時代にポートフォリオを作れなかったのか

学部時代にもぼんやりと「デザイナーになりたいなあ」と思いつつ、ポートフォリオを作るにはいたっていませんでしたし、自主制作はしていても、就活に直接つながるような自主制作はしていませんでした。(具体的には、スケッチノートや学校イベントのTシャツのイラスト提供だけでした)

クリエイターの友人には「作るしかないよ」と言われつつ、何を作ればいいのかわからず、わからないからこそモチベーションもなく。

つまりは、「どこを目指して」「何を」「どんな風に」作ればいいのかわからなかったんですね。

だからこそ、院生になってから始めた就活では、まず最初に「どこを目指すのか」、戦う場所の解像度を上げました。これは人によると思いますが、私の場合は、どこを目指すべきかが、ロードマップが見えないと、頑張れなかったんですね。

これからは、デザイナーという土台をしっかり持った上で、イラストやグラフィックデザイン、スケッチノートなど、色々なチャレンジをしていきたいなと思っています。ここまで書いていて、私の場合は、土台を持っていない状態だと、いろいろなことに手をつけても頑張りきれないところがあるんだろうなと思いました。笑

こういうところは本当に人によると思うので、自分に合った方法でデザイナー就活に向き合っていくのがいいのかなと。

長くなってしまいましたが、デザイナー就活編はこれにて終了です。
読んでいただいた皆様に何かしら気づきを提供できていたら嬉しいです。


Tiwtter:hareka0x0

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?