さくらこ

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シラフで会うには、眩しすぎる。

13時の下北沢。 マッチングアプリで会った彼とカレーを食べに行くために、ここに来た。 もともと都内出身じゃない私は、先輩だったり、少ない友人、たまにいい雰囲気になる彼なんかに連れ出してもらうことで、東京を歩くことが多い。 下北沢は初めてだ。 出不精の私を連れ出してくれた彼は、今日で会うのは2回目になる。 はじめましては仕事終わりに居酒屋で。適度に証明が暗くて適度に喧騒が気取ってなくて心地よかった。 待ち合わせ場所で合流した彼に連れられて行ったのは、路地裏の雑居ビルの地下

    • 雨の好きなところ

      雨が好きだ。 出不精に都合のいい、言い訳をつくってくれるから。 「休日なにしてた?」に対する対抗策を与えてくれる。 雨が好きだ。もっと言うと、雨に濡れるのが好きだ。 ずぶ濡れになると何もかも全部どうでも良くなって、脳裏にいたモヤモヤも空のシャワーで溶けて流されていく。そんな感覚になれる。 時々Youtubeで泥塗れになってしっぽを振ってる犬がおすすめに現れるけど、私は前世では彼らの仲間だったのかもしれない。 雨に濡れるのが好きだ。 傘を差し出してくれる人が案外多いこ

      • デザイナーの彼

        マッチングアプリでデザイナーの人に会った。 アプリで少しやり取りをしていた末に、会うことになった。 実は会うべきか、迷っていた。 人を見た目で判断したらいけない。昔誰かに教えられたけど、金髪の彼をどうも信用できなくて。 それでも会ったのは、一緒に載せてた作品風の写真がすごい素敵だったから。こんな写真を取る人と話をしてみたいと思った。 チャットで、「お写真が素敵ですね」というと、 「ありがとうございます、もう今は金髪じゃないんですが」 ...風景写真を褒めたのを自身の写真

        • いつからか自分が空っぽになってた話

          彼氏が欲しい。 アラサーで長らく恋人がいないことに対する周りの目だとか、休日の暇を埋めたいとか、そういうのを解決してくれる彼氏をつくりたい。 あとちょっと恥ずかしいけど、人を愛するってやつをやってみたい。 そう思ってマッチングアプリを使った。 やってみて、マッチはする。顔はまあまあ良くてよかった。 チャットも続く。スナックでのバイト経験や営業職経験が活きた。 会ってみる。2回までは会える。 3回目が、ない。 原因は多分わかってる。深い話ができない、空っぽなんだ。 広く

        シラフで会うには、眩しすぎる。

          13本目の紫

          KANEBOのCMが痺れたのでnotoに感情の記録を残すことにしました。 率直な感想は、「傷をえぐられたみたい」でした。 私にとって口紅は、強い意志を持つツール。 最初に塗ったのは多分幼稚園生の時。 お母さんの鏡台を勝手に開けて。 全然似合わない青みピンクを子供の唇に雑多に乗せただけで、大人になった気分を味わってたんです。 とにかく早く大人になりたかった。 時代遅れの強いパール感が一層不釣り合いさを際立たせてたのを今でも鮮明に覚えてます。 まるで似合わなくて「まだ早い」

          13本目の紫