結局__運_というのは_こんな人のところに集まる

『運転者』 喜多川 泰

自分の人生を”好転”させてくれるというタクシーに出会ったら、私は間違いなく乗ってみたいです。「なんで私/オレばっかり、こんなについてないんだ!」と思う人に読んで欲しい本。運をつかむ方法について書かれています。

ジャンルとしては、自己啓発小説。物語を通して、人生において大切なこと/当たり前なことを教えてくれて、自己啓発が苦手な人でも抵抗なく読むことが出来ます。物語がおもしろくて文章も難しくないため、1時間半くらいで読み終えることができました。

簡単なあらすじ

主人公の岡田修一は、仕事や家族のことで次々問題が起こり、途方に暮れていた。「なんで、俺ばっかりこんな目にあうんだよ!」そう思った彼の前に一台のタクシーが現れる。そこから修一の考えが変わり、人生が変わっていく物語。

エピローグとプロローグをもう一度読み返したら、全ての筋が通って鳥肌が立ちました。「そういうことか…」と納得。タイトルの『運転者』が何を指すのかも注目です。

常に覚えておきたいこと

・損得勘定よりも、「面白い」や「楽しむ」を考える
・人と比べるのではなく、自分の人生に集中すること
・どん底になっても行動を起こせば、必ずやり直せる強さを人間は持っている
・人生は一瞬で変わらない。あとで「あそこが始まりだったのかもしれない」と気がつく

「なるほど!」と思わされた部分

運は <いい> か <悪い> で表現するものじゃんないんですよ。
<使う><貯める> で表現するものなんです。
だから先に <貯める> があって、ある程度貯まったら <使う> ができる。少し貯めてはすぐ使う人もいれば、大きく貯めてから大きく使う人もいる。そのあたりは人によっては違いますけどね。
どちらにしても周囲から <運がいい> と思われている人は、貯まったから使っただけです。

何でも「良い」と「悪い」で考えたら、損得で考えることになります。ポイントカードと同じで、運も貯めて使っていきます。自分のために使うのも、誰かのために使うのも自由。でも運を貯めるには、自分が機嫌良くいないといけないとのこと。

機嫌よくいる”フリ”じゃなくて、物事に興味を持って楽しそうと思ったことをやってみる。”フリ”は行動や言動に必ず現れるものだから、周りにもバレてしまいます。

頑張っているのに報われないって言う人はみんな、種を蒔いてそれを育てているんですが、ちゃんとした収穫時期の前に『まだ育たない』と言って嘆いているようなもんです。
もっと長い目で見たら、報われない努力なんてないんですよ。あまりにも短い期間の努力で結果が出ることを期待しすぎているだけです。
今日頑張って明日実になるなんてどんなに早く育つ種でも無理なことですよ。

「楽して人より良い結果を得たい」から焦ったり、イライラしたりします。自分が思った結果がすぐに得られないから、「努力は報われない」と諦めてしまう時もあります。長い目で見ないと自分のやっていること、頑張っていることは芽が出ないのかも。

だからこそ、自分が好きなことや自分がいいと思ったことをしないと、何も続かない気がします。芽が出る速度も、花の咲き方も違うから、焦らなくていいんです。自分の人生に集中して、自分の花を育てていきたいと思いました。

つい目先にある小さな不満にウジウジしちゃいます。でも喜多川さんの作品を読むと、私は初心に戻ることができます。喜多川さんの他のオススメ作品もまとめました。


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