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46日目 空っぽの心臓

思えばこの心の臓は空っぽである気がするのだ
私の体を貫通するものたちから言わせれば今更そんなことに気づいたのか!と言ったところであろうが私にとっては世紀の大発見であった
嘘だ
嘘か?
嘘ではない
私の実態というものを静かに静かに見守る
しかし、心臓とやらは名前に心を含んでいるあたり自分が心であることに疑いはないと言ったところであろうか
いやはや空っぽがすぎるではなかろうか
私の持っている情景が何だというのだろうか
ちっぽけな空っぽな眼球ひとつでものを見ている私が夢の世界では眼球以外を使ってものを見る
どうやら、眼球などというものは不確かで形而上的なものであるらしい
なれば私についたこの二つはいかにしてしまおうか
生きているだけで視力はどんどん落ちていく
しまいにゃついてても何にも面白くない
ああ、面白くない
この眼球は腐り果てものごと全てが濁って見える
それにしてもこの心臓ときたら本当に空っぽだ
ああ、つまらないつまらない

いただいたお気持ちは必ず創作に活かします もらった分だけ自身の世界を広げます