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No.479 小黒恵子氏の紹介記事-45 (精神面の充実を)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、読売新聞に掲載された小黒恵子氏の紹介記事 がんばってます-69 をご紹介します。

「精神面の充実を」 虫をうたう詩人 小黒恵子さん46
 がんばってます-69

  才女である。童謡、詩、随筆を書く。幅が広い。「夢見ヶ崎音頭」「日吉小唄」も作詞した。
高津区の旧家の生まれ。中大法学部に学び、草月流の生け花の師範から、十年前、詩の道へ。
「限界を感じたんです。花は長持ちしません。詩は、いつまでも残ります」
七年前、自然へのいつくしみをうたった童謡集「シツレイシマス」で注目される。
手がけた童謡は、すでに五百編を超す。その多くに、虫が登場する。セミ、バッタ、カマキリ、コオロギ……。きらわれ者のケムシ、クモ、ゴキブリも。
 かつて、多摩川に近い高津区諏訪の辺りは、自然そのものだった。一面の菜の花畑。そびえ立つケヤキ、虫たちの大合唱――。
 その自然が失われようとしている。虫たちもまた――。
 「たとえ小さな虫でも、人間と同じように、この地球に生きている仲間です」
 いま、虫たちをうたい続けるのは、去り行くものへの、限りない愛なのだろうか。
 「こんなドライな世の中、精神面を充実させなければ、寂しくて生きていけません」
 寂しくなったら、旅に出る。パリに行って感動する。そして、また詩を書く。
 新しい生き方を求め、“別居結婚”中。隠したがるようなことを、明るく話す。
 日本作詞大賞(童謡賞)などを受賞し、詩集も二冊。この秋には、七十四曲をまとめた童謡曲集を出す。
 「詩を書くって、大変なんですよ」

読売新聞 昭和52年(1977年)4月12日

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1978(昭和53)年の新聞投稿記事をご紹介します。(S)

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