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No.506 小黒恵子氏の紹介記事-72 (自然の素晴しさ歌う)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子氏のコンサート紹介記事 をご紹介します。内容は、今までと同じ様な内容になります。

芸能  創童謡のコンサート 小黒恵子の作品とりあげ 
                                                                        来月1日、東京・青山劇場で
自然の素晴しさ歌う
 
創作童謡を集めた「こどものうた」コンサートが、八月一日午後六時三十分から、東京の青山劇場で開かれる。詩人の小黒恵子の作品の作品だけを取り上げる異色コンサート。大自然の動植物をテーマにした優しい言葉に乗せて、小鳩くるみ、田中星児らが、高らかに自然賛歌を奏でる。

★5百曲の詩に曲
コンサートには、「鳩よ、国際平和年に祈りをこめて」の副題がついた。「鳩よ」(作曲・高木東六)は四年前の作品。小黒は「元上野動物園長の古賀忠道先生(故人)たちの尽力で、鳩魂塔が建立された時に書きました。平和の象徴であるハトの生命力に感動したのです。国際平和年の今年にふさわしいテーマとして、選びました」と言う。
中央大学卒業後、故・谷内六郎の絵に触発されて、詩作活動に入ってから三十年近くになる。約五百編の詩に曲がついた。NHK・みんなのうたで流れた「ドラキュラのうた」(曲・クニ河内)、「ぼくんちのチャボ」(同・三枝成章)・・・・・・。

★サケ放流もテーマに
「ふるさとは多摩川」(同・湯山昭)は、東京にサケを呼ぶ会が五年前から始めた稚魚放流に寄せたものだ。一昨年二月、吹雪の中で七十人のクラウン少女合唱団合唱団がこの曲を歌って、多摩川の水で育った“東京っ子”サケ三十万匹の旅立ちを見送った。アフリカ旅行から生まれた「飛べしま馬」(同・高木東六)は、日本童謡賞も受けている。
ヒットチャートとは全く無縁だが、どの作品にも、自然の営みに対する深い愛情があふれている。「多摩川のほとりで生まれ育ち、母なる川の優しさ、怖さを身をもって体験してきたからでしょうね」
川崎市の自宅の庭には、ケヤキ、カシなど市指定の保存樹十四本がある。家族の一員には、九官鳥、二匹のイヌ、三匹のネコ。自然に囲まれた生活である。

★シャンソンの大庭も
世界野生生物基金(WWF、総裁・英エジンバラ公)とのつながりも深く、活動資金やレコードを何度も寄付してきた。
コンサートには、小嶋、田中のほかに、シャンソンでも活躍するベテランの大庭照子、かつしかAKキンダーコール、クラウン少女合唱団、東京城北少年少女合唱団、少年少女合唱団みずうみが出演。サイガ・バレエも、華麗な踊りでステージを彩る。フィナーレは、二百人以上による「鳩よ」の大合唱だ。
出演者は、全員が手弁当。収益は全く望めないコンサートだが、主催者である小黒は「入場料の一部を、ユニセフとWWFに寄付させて頂きます。貧者の一灯というか、ボランティア精神というか」と、さわやかに笑っている。
問い合わせは、大庭音楽事務所(電話〇三-七九三-五六九三)

読売新聞夕刊 昭和61年(1986年)7月24日 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1986(昭和61)年の紹介記事をご紹介します。(S)

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