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詩のご紹介192 穴花(小黒恵子作) ~エメラルドの約束

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回の詩は、大人の詩集第2作目「エメラルドの約束」から、「穴花」(黒人歌手の歌)です。

「詩集:エメラルドの約束」については、下記をご覧ください。

まずは「目から」。

穴花
~黒人歌手の歌 「エメラルドの約束」より~
小黒恵子作 

場所
横浜港町
細い暗い路地裏の酒場
小さな人口だけがポツンとあいてる
穴倉酒場 名前も穴花

黒人トランペット吹きの額から
脂汗がにじんで
裸のダンサーの白い体が
光のなかにうごめく
通風のわるいカビの匂い タバコの煙
香水 男 女 酒 光 音のカクテル
あたしは黒とチャイナの
ハーフのジョニイといっしょ
ジョニイは
サンフランシスコと横浜を往復している
口笛のすごくうまい水夫
犬も猫も昆虫も今川焼も
大好きなおかしなジョニイ
さみしがり屋のジョニイは
あたしと似てるわ
ほろ酔いで彼の胸にもたれるのが好き
海の匂いがしみこんでいく
ハンモックのような
安らぎを感じるの
ジョニイは海の男
海から生まれたのよきっと
さっきから
バストとヒップをふるわせて
うたっている黒人女性歌手
目がまっしろでとてもきれい
すごいボリューム ねばりのある声
歌を聞きましょう
ねえジョニイ

次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝
 
 最後まで、お読みお聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「黒人歌手の歌Ⅰ」(「エメラルドの約束」~黒人歌手の歌~)です。(S)

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