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No.609 小黒恵子氏の記事-29 (合唱団に助成金)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回は、第7回「花とライオン児童合唱音楽賞」の記事を紹介いたします。

花とライオン音楽賞   
合唱団に助成金

花のように美しく優しく、ライオンのようにたくましく―。川崎市高津区諏訪に在住の詩人・小黒恵子さんが私財を投じて設立したわが国初の小黒恵子児童合唱音楽振興基金「花とライオン児童合唱音楽賞」の第7回授賞式が22日、東京・日本橋の中央三井信託銀行本店で行われた。今回受賞したのは東京・板橋の「東京城北少年少女合唱団(平野元清代表)」。助成金100万円が贈られた。

授賞式では、まず小黒恵子児童合唱音楽振興基金の運営委員でもあり、同賞の選考委員でもある元上野動物園長の浅倉繁春さんが「小黒さんは動物や植物が大好きな方、そこで『花とライオン合唱音楽賞』と名づけられたと思う」とあいさつ、さらに選考経過について「四つの合唱団がノミネートされたが、地域的ボランティアで活動を続け、またNHKや海外交流など国際的にも活発な活動をしている東京城北少年少女合唱団が絶対多数で選ばれた」と報告した。
また、全体講評として「歌うことはいい気持ち。学校のクラスを越え、合唱のために集まることは円満な性格を育成する。同賞がみなさんにとって、生涯大変な宝になり、情熱心を豊かにしてくれるでしょう」と絶賛した。
小黒さんは「歌には、詩によって色々なことがらが織りこまれている。自然や地球、家族や友だち。緑があり、山、川があり、花がある。歌ったりすると、自然に想像力や情緒を満たしてくれる」などと、歌うことの喜びを詩人らしい表現で説明した。さらに「合唱することは心を一つにし、声を一つにすることにより、安らぎと安らかさを与えてくれる」と合唱することの意義を説いた。
これに対し、同合唱団の平野代表は「36年間、音楽携わってきたが、こんなに晴れやかな気分は初めて」と述べ、「素晴らしい合唱団がほかに沢山あっただろうに、その中から選んでいただき感激です」と語った。また団員について「学校のテストで挫折したり悩んだり、そんな中で心を一つにして合唱に励んでくれた、まさに神からつかわされた子どもたち」と子どもたちを褒め讃えた。受賞については「団を支援してくれた人、活動に携わった人々で賞を分かち合いたい」と受賞の喜びを語った。
最後に、お礼にと高木東六作曲『やあ、こんにちは』を合唱して小黒さんにお返しした。

花とライオン児童合唱音楽賞
 1995年、小黒恵子さんが私財を投げうって小黒恵子児童合唱音楽振興基金を設立、全国の少年少女合唱団を支援している。名づけて「花とライオン児童合唱音楽賞」。同音楽賞の選考委員には元上野動物園長の浅倉繁春氏や元NHKアナウンサーの塚越靖一氏、日本児童文学家協会理事の小山つね子氏、写真家の秋山庄太郎氏らが名を連ねている。ボランティア活動に徹し、国際的にも活躍している合唱団を対象に、助成金として100万円が贈られる。これまでにクラウン少女合唱団、赤い靴ジュニアコーラス、東京放送児童合唱団、音羽ゆりかご会などが受賞している。
小黒さんは現在、日本童謡協会理事や日本音楽著作権協会評議員、全日本音楽著作家協会常任理事、日本詩人連盟副会長などを務め、幅広い活躍を続けている。

多摩川新聞 平成14年(2002年)7月28日

現在は、川崎市に遺贈され、リニューアルしてオープンしています。色々とイベントも行っていますので、当館ホームページでご確認ください。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回は、2003年に新聞に掲載された記事を、ご紹介します。(S)

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