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No.510 小黒恵子氏の紹介記事-76 (創立20周年記念演奏会)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子氏の関係するコンサート紹介記事 をご紹介します。

創立20周年記念演奏会   熱海少年少女合唱団 28日観光会館で開催

熱海少年少女合唱団は、二十八日午後六時半から、観光会館において創立二十周年記念演奏会を開催する。
この合唱団は、二十年前東京芸大を卒業し、沼津少年少女合唱団を指導している松下隆二先生と熱海合唱団員であった鈴木規雄氏その他によって創設された。
昭和四十一年に第一回演奏会を開いて以来、市民文祭に花を添え、定期演奏会を重ね、出演を繰り返しては、大人になって卒団した一週間に一度の練習は、楽しいが辛くも感じた。友だちと声を合わせる喜びは、合わせた者のみが知ることのできる感動であるが、中学校を卒業し合唱団を退団する団員もいて悲しい思い出もあった、といわれる。
こうした事情のもとに、昭和四十五年には万博への出演を始め、海外演奏も韓国、グアム島、台湾、等へ出掛けるなど輝かしい二十年の歴史を経て記念公演に辿りついた。
この演奏曲目は、歌がいっぱい・水玉のふるさと・気球にのってどこまでも等十四曲の他に、この二十周年を記念して、網代に別荘をもつ詩人の小黒恵子作詞小林秀雄作曲の“児童のための合唱組曲”「白馬の海」を発表する。
小黒恵子さんは、一昨年伊豆山のモンキーパズルの木にちなんで童謡を作り、NHKでも放送された作詞家で、日本作詞大賞、童謡賞、日本詩人連盟賞を受賞した才女である。NHKのみんなの歌「モンキーパズル」を熱海少年少女合唱団が詩碑の除幕式にあたってこの歌を歌ったところ、小黒さんが感動して「白馬の海」を寄贈したという美談が秘められている。
その「白馬の海」の第一曲、「梅の花」は、
春のたよりを見せて梅の花 雪の白さのまぶしい花びら 黒潮の風にゆれています・・・・・
優しい口語調で、これにつけた小林秀雄氏の曲は、琴で弾いても快く響くと思われる日本調。第二曲は、「熱海ざくら」、第三曲は「白馬の海」で、源実朝の歌
  箱根路を わが越えくれば 伊豆の海や 沖の小島に 波のよる見ゆ
が入っている。勿論、この歌は、世界初公演の素晴しい曲なので、期待をもってお聴き願いたいと、主催者は云っている。
 入場料は大人八百円、小人五百円で、当日券もある。

東名新聞 昭和61年(1986年)9月27日

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1987(昭和62)年の紹介記事をご紹介します。(S)

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